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広告レポートを自動化する方法:ツール・Looker Studio・代行の選び方

広告レポートを自動化する方法:ツール・Looker Studio・代行の選び方

この記事のポイント

  • 広告レポートの自動化は、媒体からのデータの取得、集計、グラフと表の更新、送付を仕組みに任せることです。考察(所見)と送る前の数字の確認は、どの方法でも人に残ります
  • 方法は、媒体の管理画面の定期配信、レポーティングツール、Looker Studio+コネクタ、スプレッドシート+API、作成代行の5つです。媒体とクライアントの数、型がクライアントごとに違うか、作った後に直せる人がいるかで選びます
  • Google 広告・LINEヤフー広告・Meta広告には、管理画面でレポートを定期的に作り、メールで受け取るか完了の知らせを受け取る機能があります(2026年11月3日に各社の日本語ヘルプで確認)。媒体をまたいだ合計やクライアントの型への反映は、別に仕組みが要ります
  • Looker Studio の Google のコネクタは Google 広告・GA4・スプレッドシートなどで、Meta広告やLINE広告は受け皿かパートナーのコネクタが要ります。無料版の配信スケジュールは1レポート1件、1日1回までです
  • 全7ページのサンプルでは、数字・表・グラフは自動にできても、表紙以外の6ページに人が書く文や判断が残りました。合計の行や構成比の端数の確認も人が持ちます

広告レポートの自動化とは、Google 広告・Meta広告・LINEヤフー広告などからデータを取り出し、集計して、グラフと表を更新し、クライアントに送るまでを、決まった手順で仕組みに任せることです。方法は、媒体の管理画面の定期配信、レポーティングツール、Looker Studio、スプレッドシートと API、作成代行の5つに分かれます。

先に結論を書きます。

  • 媒体が1〜2つで、管理画面の表の形のまま出せるなら、媒体の管理画面の定期配信で足ります
  • 媒体とクライアントが多く、ツールの型のレポートで困らないなら、レポーティングツールです
  • Google 広告と GA4 が中心で、いつでも数字を見られる画面がほしいなら Looker Studio です。Meta広告や LINE広告も入れるなら、データの受け皿が別に要ります
  • クライアントごとに型が違い、社内に作って直せる人がいるなら、スプレッドシートと API で自社の型に合わせて組みます
  • 考察の下書きと数字の確認まで手を離したいなら、作成代行です

どの方法でも、考察(所見)と送る前の数字の確認は人に残ります。この記事は、その残る作業まで含めて選べるように、5つの方法の違い、媒体ごとの公式の取り出し方、実物で見た自動と人の分かれ目を並べます。

この記事は、広告レポートの作成代行と自動化(おまかせレポート)を提供している inovie株式会社 が書いています。特定のツールの比較やおすすめはしていません。媒体の機能は、2026年11月3日に各社の日本語の公式ヘルプで確かめた範囲だけを載せています。作業時間は測っていないため、時間がどれだけ減るかは書いていません。

レポートに入れる項目、指標の計算式、毎月の6つの工程は「広告レポートの作り方:構成・見る指標・考察の書き方」で説明しています。この記事は、その工程のどこを何で自動にするかを扱います。

広告レポートを自動化する5つの方法は、どう違う?

5つの方法を、作るときの手間、毎月の手間、増えたときの動き、考察、費用の形で比べます。

方法 初めの手間 毎月の手間 媒体・クライアントが増えたとき 考察 費用の形
① 管理画面の定期配信 媒体・アカウントごとにレポートを保存し、配信を設定する 届いたファイルを集めて合算し、グラフと体裁を作る 設定と届くファイルが、媒体×アカウントの数だけ増える 自分で書く 追加の費用なし(管理画面の機能)
② レポーティングツール アカウントをつなぎ、テンプレートを選んで設定する 出力を確かめ、考察を書き、型に合わない部分を直す つなげば同じ型で増やせる 自分で書く(下書きの機能を持つものもある) 月額の利用料。つなぐアカウントの数で変わるものがある
③ Looker Studio+コネクタ データをつなぎ、計算式とグラフを作る。Google 以外の媒体は受け皿も作る 期間を切り替えて確かめ、考察を書く。接続切れに対応する クライアントごとにレポートとデータソースを用意する 自分で書く 本体は無料。Pro は有料。パートナーのコネクタは有料の場合がある
④ スプレッドシート+API データを取り込む仕組み(API・スクリプト)と、シート・グラフを作る 動いたかを確かめ、失敗に対応し、考察を書く 処理の時間の上限に気をつける 自分で書く(生成AIで下書きもできる) 作る人の時間。外に頼めば開発費
⑤ 作成代行 今のレポートと、閲覧用の権限かデータを渡す 届いたものを確かめ、考察を仕上げる 件数に応じて料金が上がる 下書きまで頼める 月額か1本ごと。件数で変わる

① 媒体の管理画面の定期配信:設定は早いが、まとめる作業が残る

Google 広告、LINEヤフー広告、Meta広告には、保存したレポートを決まった間隔で作る機能があります。Google 広告と Meta広告はレポートをメールで送り、LINEヤフー広告は作成完了をメールで知らせます(次の節で媒体ごとに並べます)。費用はかからず、設定も各媒体の画面の中で終わります。

ただし、届くのは媒体ごと・アカウントごとのファイルです。媒体をまとめた表、合計の行の計算、クライアントの型のグラフは手で作ります。媒体が1〜2つで、管理画面の表の形のまま受け取ってもらえる場合に向いています。

② レポーティングツール:つなぐだけでそろうが、ツールの型に寄る

広告レポート向けのツールは、複数の媒体のアカウントをつなぎ、決まったテンプレートでサマリーやグラフを出します。媒体とクライアントが多いほど、つなぐだけで同じ型のレポートが増やせる良さが効きます。

残るのは、ツールの型とクライアントの型が合わない部分の手直し、考察、数字の確認です。公開されているツールの料金の例と、作成代行との比べ方は「広告レポート作成代行とは:頼める範囲・費用・自動化ツールとの違い」に出典つきでまとめています。

③ Looker Studio+コネクタ:Google の数字は強いが、ほかの媒体は受け皿が要る

Looker Studio(2026年4月からの名称はデータポータル)は、作る人も見る人も無料です。有料の Pro は、プロジェクトごとに1ユーザーあたり月9ドルと表示されています(Google Cloud の製品ページ)。Google のコネクタでつなげるのは、Google 広告、Google アナリティクス、Google スプレッドシート、Search Console などです(使用可能なコネクタ)。Meta広告、LINEヤフー広告、LINE広告は、この一覧にありません。

それらの媒体は、パートナーが作ったコミュニティ コネクタを使うか(費用がかかる場合があります。データソースについて)、スプレッドシートなどの受け皿にデータを入れてからつなぎます。PDF をメールで送る配信も設定できますが、Pro でない場合は1つのレポートにスケジュールは1件、送る頻度は1日1回までです(レポートの自動配信をスケジュール設定する)。

構築を外に頼むときの費用・納品物・持ち主の決め方は、Looker Studio の構築代行を頼む前に読む記事にまとめています。

④ スプレッドシート+API:型を自由に作れるが、作った人に寄る

媒体の API でデータをスプレッドシートやデータベースに入れ、クライアントの型のシートやスライドに流し込む方法です。型を自由に作れるので、クライアントごとに体裁が違う代理店に合います。

Google は、Google Ads API をサーバーとデータベースを管理できる開発者向けとし、インフラを持たずに自動化したい場合は Google 広告スクリプト、分析用にレポートを取り出すなら BigQuery への転送、と使い分けを示しています(Google Ads API の概要)。LINEヤフー広告の API も、導入と運用にはエンジニアのリソースが要ると書かれています(LINEヤフー広告 API)。なお、Google スプレッドシート向けの Google 広告の公式アドオンは、ヘルプでは英語版のスプレッドシートのみ対応で、米国でのみ利用できるとされています(Google スプレッドシート向けアドオンについて)。

スプレッドシートを GAS(Google Apps Script)で動かす場合は、1回の実行が6分まで、定期実行の合計は1日90分まで(Google Workspace のアカウントは6時間まで)という上限があります(Google サービスの割り当て)。組み方は「スプレッドシートとGASで月次レポートを自動作成する手順」で、社内に作れる人がいない場合に仕組みごと作ってもらうときの確認項目は「レポートの自動化を外注する」で説明しています。

⑤ 作成代行:考察の下書きと確認まで任せる

作成代行は道具ではなく、作業ごと外に任せる方法です。データの取得から、クライアントの型での体裁、考察の下書き、数字の確認、納品までを引き受けます。社内に仕組みは残りませんが、考察と確認まで手を離せる点が①〜④と違います。

媒体ごとに、データはどう取り出せる?

各媒体の公式の取り出し方を、日本語のヘルプで確かめた範囲で並べます(2026年11月3日に確認)。画面の名前や手順は変わることがあるため、設定するときは各ヘルプを開いて確かめてください。

媒体 管理画面で定期的に作る・送る 書き出し・ほかの手段 数字で気をつけること
Google 広告 表の右上のダウンロード アイコンから[スケジュール]を選び、頻度と形式を決めてメールで送る(ヘルプ)。レポート エディタからも同じように設定できる(ヘルプ) Excel・CSV・TSV・PDF・XLSX・XML・Google スプレッドシート。MCC アカウントの[レポート]ページで、管理するアカウントをまとめて作成・スケジュール設定できる(ヘルプ) ほとんどの統計データは1時間ごとに更新。ラストクリック以外のアトリビューション モデルのCV数などは遅れて更新される(ヘルプ)。スケジュールのレポートは指定したタイムゾーンの午前1時(MCC は午前5時)に作られる
LINEヤフー広告(検索広告・ディスプレイ広告) パフォーマンスレポートの設定をテンプレートとして保存すると、定期的に同じ設定のレポートが作成され、作成完了のお知らせをメールで受け取れる(ヘルプ) テンプレートは1アカウント30個まで。API もある 作成には管理・登録更新・参照のいずれかの権限が要る
Meta広告 広告レポートで定期メールレポートを作れる。ヘルプには、週次のレポートを自分と同僚に週に一度メールで送る例がある(ヘルプ) レポートのエクスポートと共有 広告アカウントに対して、管理者・広告管理者・アナリストのいずれかのアクセス許可が要る(ヘルプ)
LINE広告 パフォーマンスレポートを作り、CSV か Excel でダウンロードする。カスタムレポート(β)はテンプレートとして保存できる(マニュアル)。定期的に送る機能は、このページには書かれていなかった レポートの一覧に出るのは、過去1週間に作ったもの ダッシュボードの「ご利用金額」やレポートの「cost」は概算で、実際の請求金額と異なることがある(マニュアル)
GA4(参考) レポートのスケジュールを設定し、日・週・月・四半期ごとに PDF か CSV を添付して送る。設定できるのは管理者だけ(ヘルプ) 受信者のメールアドレスは最大50個 データの処理に最大72時間ほどかかるため、月の4日目に送る設定がすすめられている。スケジュールの有効期間は1〜12か月

どの媒体も「1つの媒体・1つのアカウントの数字」を取り出すところまでは、公式の機能で自動にできます。 クライアントに出すレポートは、それを媒体をまたいでまとめ、前月比や目標比を出し、クライアントの型に入れたものです。この「まとめる」部分を何に任せるかで、②〜⑤のどれにするかが決まります。GA4 の数字を月次レポートにまとめる組み方は「GA4の月次レポートの作り方」で説明しています。

広告レポートのデータの流れの図。1 媒体から取り出す:Google 広告とGA4はメールで定期配信でき、Looker Studio の Google のコネクタでもつながる。LINEヤフー広告はテンプレートでの定期作成やAPI、Meta広告は定期メールレポート、LINE広告はCSV・Excelのダウンロードで取り出し、スプレッドシートなどの受け皿に集める。2 まとめる:媒体をまたいだ合計、前月比・目標比、クライアントの型のグラフと表、決まった日の送付は、ツール、Looker Studio、スプレッドシートとAPI、作成代行のどれでも仕組みにできる。3 人に残る:見出しと考察(LPを替えた日や配信を止めた理由は数字に出ない)、送る前の確認(データを取った日、使った列、合計の行と割合の端数、権限と配信の期限)、例外への対応(媒体の追加、型の変更、画面や指標の名前の変更)
図1 取り出すまでは媒体の機能で。まとめる部分と最後の確認をどうするか

実物で見る:どのページが自動にでき、どこに人の確認が残る?

ここからは、おまかせレポートで作った広告運用の月次レポートのサンプル(全7ページ)で見ていきます。架空の広告代理店「株式会社アオバデジタル」が、架空の食品会社「みなと食品株式会社」に出す2026年10月度のレポートで、媒体は Google 検索、Google P-MAX、Yahoo! 検索、Meta(Instagram)、LINE の5つです。会社名と数字はすべて架空です。

広告運用の月次レポートのサンプル全7ページを並べ、ページごとに自動にできるところと人に残るところを示した図。1 表紙は宛先と期間の差し替えが自動で、人は確かめるだけ。2 サマリーは4つの数字と前月比・目標比が自動で、見出しと一言コメントは人。3 月別の推移はグラフと目標の線が自動で、1月の落ち込みの理由は人。4 媒体別の実績は5媒体の表と計算が自動で、使う列の統一と合計の行の確認は人。5 キャンペーン別は並べ替えと色分けが自動で、前月との対応と予算の判断は人。6 CVの内訳は件数と割合が自動で、端数の扱いと次の打ち手は人。7 所見と次月のアクションは目標の数字の転記が自動で、所見と施策は人が書く。人が書く文や判断が入るのは7ページ中6ページで、確かめるだけで済むのは表紙だけ
図2 サンプル(架空)の7ページで、自動と人の分かれ目を見る

ページごとに分けると、次のとおりです。

ページ 自動にできるところ 人の確認・判断が残るところ
1 表紙 宛先、対象期間(2026年10月度)、作成日の差し替え 宛先と期間が今月のものかを確かめるだけ
2 サマリー 広告費1,504,000円、CV数312件、CPA 4,821円、CVR 2.86%と前月比。予算と目標のシートがあれば、予算消化率97.0%と目標達成率104.0%も 見出しの1文。「10/6に入れ替えたLPのファーストビューが効いています」という一言は、LPを替えた日を知る人が書く。予算と目標が、クライアントと決めた最新の値か
3 月別の推移 12か月の棒と折れ線、CPA目標5,000円の線、今月だけ色を変えた棒、前月比+18.2%の吹き出し 「1月の落ち込みは年始の配信停止によるもの」という理由。過去の月の数字が、あとから増えたCVを反映した値か
4 媒体別の実績 5媒体の数字の取り込み、CTR・CPC・CVR・CPAの計算、合計の行 媒体ごとに、どの列(Google のコンバージョンの列か、Meta の「結果」か)を使ったかがそろっているか。合計の行のCTRが、合計から計算した1.00%になっているか(5媒体の単純平均だと2.01%)
5 キャンペーン別 CV数の多い順の並べ替え。CPA 5,000円以下は濃い色、7,000円超は赤字という色分け 新しく作った・止めた・名前を変えたキャンペーンを、前月とどう対応させるか。「指名キーワードは予算を削らずに維持」という判断
6 CVの内訳 媒体別・デバイス別の件数と割合、ドーナツのグラフ 割合の合計が端数で100%にならないことの扱い。「LPの改善はスマートフォンの表示を優先します」という判断
7 所見と次月のアクション 11月の目標(広告費1,600,000円、CV数330件、CPA 4,850円以下)の転記。所見は数字の変化から下書きまで 所見3項目の原因と打ち手、施策・ねらい・期限の表、前月のアクションの結果

広告運用レポートのサンプルのCVの内訳のページ。左は媒体別のCV構成で、Google 検索148件・47.4%、Google P-MAX 61件・19.6%、Yahoo! 検索52件・16.7%、Meta(Instagram)38件・12.2%、LINE 13件・4.2%。右はデバイス別で、スマートフォン236件・75.6%、パソコン64件・20.5%、タブレット12件・3.8%。下に、検索広告のCVは200件で全体の64.1%、スマートフォンのCVRは3.1%でパソコンは2.2%、LPの改善はスマートフォンの表示を優先します、と書いている

たとえば6ページ目の割合を足すと、媒体別は47.4+19.6+16.7+12.2+4.2=100.1%、デバイス別は75.6+20.5+3.8=99.9%です。件数の合計はどちらも312件で合っていて、小数第1位で四捨五入したための差です。計算は仕組みが正しく行いますが、「合計が100%にならない」と聞かれたときに答えるのは人です。欄外に端数の注記を入れるかも、初めに決めておきます。

7ページのうち、確かめるだけで済むのは表紙だけでした。残りの6ページには、見出しの1文か、理由や判断の文が入ります。数字を仕組みにしても、この6ページをだれが書き、だれが確かめるかは別に決めます。→ 広告運用レポートのサンプルを全ページ見る

自動化しても、人に残る作業は?

考察:期間中に変えたことは、データに出てこない

サンプルの所見には「10/6に追加した『ギフト 食品』系のキーワードが46件を獲得」「1月の落ち込みは年始の配信停止によるもの」と書かれています。キーワードを足した日や配信を止めた理由は、管理画面の数字だけでは分かりません。運用担当が何をいつ変えたかを知っていて、初めて書ける文です。

生成AIで所見を下書きしても、数字は元データと突き合わせ、理由と次の打ち手は運用担当が書き足します。所見の型と例文は広告レポートの考察の書き方と例文50に、生成AIへの渡し方は「生成AIでレポートの所見を下書きする方法」にまとめています。

確認:自動で出た数字を、送る前に突き合わせる

自動化したあとも、送る前に人が見る項目を決めておきます。

確かめること 自動化しても残る理由 確かめ方
データを取った日 Google 広告ではラストクリック以外のモデルのCV数などが遅れて更新される。GA4 は処理に最大72時間ほどかかる 月初の何日に取るかを決め、レポートに書く。GA4 の配信は月の4日目以降にする
使った列と数え方 媒体ごとにCVの数え方が違う。Google 広告の[コンバージョン]列はクリックした日で数える 媒体ごとに使う列を決め、毎月そろえる(詳しくは広告レポートの作り方の指標の節)
費用の数字 LINE広告のレポートの「cost」は概算で、請求金額と異なることがある 請求額と合わないときに、どちらを載せるかをクライアントと決めておく
合計の行と割合 率の列を平均する式になっていると、合計のCTRが2.01%になる(正しくは1.00%)。割合は端数で100.1%や99.9%になる 合計から計算し直しているか、端数の注記があるかを見る
接続と権限 Meta の広告レポートは管理者・広告管理者・アナリストのいずれかの許可が要る。担当者の異動で外れると取れなくなる だれのアカウントでデータを取っているかを一覧にしておく
配信の期限と上限 GA4 のスケジュールの有効期間は1〜12か月。Looker Studio の無料版は1レポート1件・1日1回まで。GAS は1回6分まで 期限と上限を手順書に書き、切れる前に更新する
前月との対応 キャンペーンを作り直すと、別のキャンペーンとして数えられる。名前で前月と突き合わせる仕組みでは、名前を変えた月に別の行になる 前月のレポートと見比べる

送る前の確認の項目は、月次レポートを送る前のチェックリスト(PDF・無料)にもまとめています。

例外への対応:媒体やクライアントが増えた月

新しい媒体を足す、クライアントがレポートの型を変えたいと言う、媒体の画面や指標の名前が変わる。こうした月は、仕組みのほうを直す必要があります。①は媒体の画面で設定し直し、②はツールがその媒体や型に対応しているかで決まります。③と④は、仕組みを作った人が直すことになります。手順書があるか、社内のだれが直すかを、作る前に決めておきます。

自分の会社に合う方法を選ぶ手順

次の順に考えると、候補が絞れます。

  1. 今のレポートを工程に分ける:取得・集計・グラフの作業と、見出し・考察・確認の作業のどちらに時間を使っているか。後者が多いなら、道具を入れても月初の作業はあまり減りません
  2. 媒体の顔ぶれを書き出す:Google 以外の媒体が多いほど、受け皿かツールが要ります
  3. クライアントごとの型を見る:全社同じ型で出せるか、クライアントごとに違うか
  4. 作った後に直せる人を決める:止まった月や媒体を足す月に、社内のだれが直すか
  5. 考察と確認をだれが持つかを決める:運用担当が書くのか、下書きを外に頼むのか
広告レポートの自動化の方法を選ぶ4つの問い。問い1、考察の下書きと確認まで毎月手を離したいなら作成代行。問い2、媒体が1〜2つで管理画面の表の形のまま出せるなら、管理画面の定期配信。問い3、媒体はGoogle 広告とGA4が中心で、画面で見られれば足りるならLooker Studio。問い4、クライアントごとに型が違い、社内に作って直せる人がいるならスプレッドシートとAPIで組む(作れる人がいなければ仕組みづくりを外に頼む)。どれにも当てはまらなければ、ツールの型のレポートで困らない場合のレポーティングツール。どの方法でも、考察と送る前の確認は人が持ち、下書きは外に頼める
図3 上の問いから順に見て、最初に「はい」になったところが候補

方法は組み合わせることもできます。たとえば、Google 広告と GA4 は Looker Studio でつなぎ、Meta広告と LINE広告は書き出したファイルをスプレッドシートに入れて同じレポートに出す形です。道具が増えるほど止まったときに見る場所も増えるので、データの通り道を1枚の図にして手順書に残します。

広告に限らない自動化の方法(Excel の Power Query・マクロ、Python など)の比べ方は、「月次報告書を自動作成する6つの方法を比較」にまとめています。

仕組みを作って受け取るか、毎月の作成を任せるか

おまかせレポートには、2つの頼み方があります。どちらも、今お使いのレポートの型とトンマナ(書式・色・言い回し)をそのまま使います。

  • レポート自動化(個別見積り):スプレッドシートや Looker Studio など、御社の環境で自動でレポートが出る仕組みを作り、手順書と一緒に仕組みごと納品します。月額の保守はありません。社内に仕組みを持ちたい、データを社外に出したくない場合に向いています
  • レポート作成代行:初期費用0円、基本料金 月額3万円(税別、5件まで)、6件目から1件 月5,000円です。クライアント20社の月次レポートなら、3万円+15件×5,000円で月額105,000円(税別)になります。最低契約期間は6ヶ月で、7ヶ月目から1ヶ月単位で解約できます

作成代行では、AIと人でレポートを作り、人が元データと数字を突き合わせて確かめます。所見は数字の変化から下書きし、御社の担当者が確認して、御社の名前で出していただきます。この記事でいう「人に残る作業」のうち、考察の下書きと数字の確認まで引き受ける形です。

広告代理店向けの頼み方は広告代理店・Web運用会社向けのページにまとめています。自動化にするか作成代行にするか迷う場合は、今のレポートを1本お預かりして、同じ型で1回分を作る無料のお試しから始められます。仕上がりを見てから決めていただけます。

よくある質問

Q.広告レポートの自動化は無料でできますか?

媒体の管理画面の定期配信、作る人も見る人も無料の Looker Studio、Google スプレッドシートを使えば、ツール代をかけずに始められます。作る人の時間はかかります。Google 以外の媒体を Looker Studio につなぐパートナーのコネクタは、費用がかかる場合があります。

Q.レポーティングツールを入れれば、月次レポートの作業はなくなりますか?

データの取得、集計、グラフはツールに任せられますが、考察、数字の確認、ツールの型に合わない部分の手直しは残ります。毎月の作業のうち考察と確認がどれだけあるかを先に見ておくと、入れた後の「思ったより減らない」を防げます。

Q.Meta広告やLINE広告のデータも Looker Studio で自動にできますか?

Looker Studio の Google のコネクタは Google 広告・GA4・スプレッドシートなどで、Meta広告やLINE広告は含まれません。費用がかかる場合もあるパートナーのコネクタを使うか、スプレッドシートなどの受け皿にデータを入れる仕組みを別に作ります。

Q.自動で出た数字は、そのままクライアントに出してもいいですか?

出す前に確かめます。媒体ごとにデータが反映される時間が違い、GA4 は処理に最大72時間ほどかかります。LINE広告のレポートの費用は概算で、請求額と異なることがあります。合計の行や構成比の端数も、元データと突き合わせます。

Q.クライアントごとにレポートの型が違う場合は、どの方法が向いていますか?

ツールの型に合わせられない場合は、スプレッドシートなどでクライアントの型に合わせた仕組みを作るか、作成代行に任せます。社内に作って直せる人がいなければ、仕組みづくりを外に頼む方法もあります。

桒谷 一成

inovie株式会社 代表取締役。AIによる業務代行(BPO)と、AIエージェントの開発をしています。自社の月次報告書・サービス資料・見積書もAIで自動作成しています。