この記事のポイント
- 生成AIで所見を下書きするときは、数字の表と出来事のメモ、前月の所見、書き方の決まり、してはいけないことの4つを渡します
- 前月比・差額・率はExcelで計算してから渡し、AIには文にするところだけを頼みます。下書きに表にない数字が出たら、消すか、計算して表に足してから使います
- 下書きは、数字の突き合わせ、原因の裏取り、言い過ぎの削除、社外秘の扱いの4点を人が確かめてから、会社の名前で出します
- 入力するのは、会社が利用を認め、入力が学習に使われない設定・契約のサービスだけです。個人名や取引先名は記号に置き換えます
- 個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力するなら、提供事業者がその個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確かめるよう求めています(2023年6月の注意喚起)
生成AIでレポートの所見を下書きするとは、計算を済ませた数字の表と書き方の決まりを生成AIに渡して所見の文案を作らせ、人が元データと突き合わせて直してから出すことです。所見は考察・コメント・総評とも呼ばれ、数字の変化について、何が起きたか、なぜそうなったか、次に何をするかを書いた文章です。ChatGPT、Claude、Gemini などの生成AIを使えば、月次レポートの所見の下書きはすぐに作れます。
先に結論を書きます。
- AIに渡すのは4つです。 数字の表と期間中の出来事のメモ、前月の所見、書き方の決まり、してはいけないことです
- 計算はAIに任せません。 前月比・差額・率はExcelで出してから渡し、AIには文にするところだけを頼みます
- 出す前に人が4つを確かめます。 数字の突き合わせ、原因の裏取り、言い過ぎの削除、社外秘の扱いです
- 入力するのは、会社が利用を認めたサービスだけです。 入力が学習に使われない設定・契約かを確かめ、個人名や取引先名は記号に置き換えます
業種ごとの例文はそれぞれの記事に任せ、この記事では業種を問わず「AIに何を渡し、どう頼み、何を人が確かめるか」の手順を扱います。集計・グラフ・送付も含めた月次報告書の自動化の方法は、月次報告書を自動作成する6つの方法の比較にまとめています。
この記事は、月次レポートの作成代行(おまかせレポート)を提供している inovie株式会社 が書いています。プロンプトの例に使ったサンプルの会社名と数字は、すべて架空です。出力例は人が書いた作例で、実際のAIの出力ではありません。サービスの仕様は、2026年11月3日に各社の公式の説明で確かめた範囲だけを書いています。特定のサービスをおすすめするものではありません。
生成AIに所見の下書きを頼むと、どこまで任せられる?
生成AIに向いているのは、渡した数字とメモを、決まった型の文にすることです。前月比の計算、原因を確かめること、点検の判定や会計上の判断は任せません。
| 作業 | AIに任せるか | やり方 |
|---|---|---|
| 前月比・差額・率の計算 | 任せない | Excelの数式で出し、結果を表にして渡す |
| 数字を型に沿って文にする | 任せる | 型・項目の数・1項目の文の数・言い回しを指示する |
| 原因を書く | メモの範囲で任せる | 出来事のメモや部門の回答にある原因だけを書かせる。ないものは「確認中」と書かせる |
| 点検の判定、会計上の判断 | 任せない | 点検者・経理が決めたものを、そのまま写させる |
| 元データとの突き合わせ、出すかどうか | 任せない | 人が確かめ、会社の名前で出す |
計算を任せないのは、生成AIが指示どおりの結果を出すとは限らないからです。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれました。解説書は、実在しない情報をAIが作る「ハルシネーション」や、生成結果をそのまま信じてしまう過剰な依存をリスクに挙げ、利用者が生成結果を精査するよう求めています(IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」、組織編の解説書 p.16〜18)。
総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」も、AIに過度に頼るリスク(自動化バイアス)に注意するよう求めています。対策の例として、AIの出力を人が鵜呑みにしないこと、承認するときは人が自分で理由や根拠を考えてから承認することを挙げています(AI事業者ガイドライン(第1.2版)本編 p.15)。所見の下書きに当てはめると、「この数字は表のこの行、この原因は誰のメモ」と言えるものだけを残す、ということです。
AIに何を渡す?所見の下書きに要る4つの材料
AIは、渡されていないことを知りません。管理画面で何を変えたか、点検者が現場で何を見たか、部門がどう説明したかは、材料として渡さない限り下書きに入りません。材料が数字だけだと、「季節要因が考えられます」のような、どのレポートにも当てはまる文になりがちです。
材料1:数字の表と、期間中の出来事のメモ
- 数字は、当月の値・比べる基準(前月・目標・予算)・差・率まで計算した形で渡します。単位と、集計した日も書きます
- 表は、レポートに載せる表と同じものを使います。所見のために別の表を作ると、レポートの数字とずれます
- 出来事のメモには、設定やLPを変えた日、点検者が現場で書いたメモ、部門から集めた理由を、日付つきで書きます
材料2:前月の所見
前月の所見と、そこで約束した打ち手を渡します。「先月お伝えした打ち手の結果」から書き出せるので、読み手が月をまたいで話を追えます。書きぶりも前月とそろいます。
材料3:書き方の決まり
- 型:広告なら「事実→原因の仮説→次の打ち手」、点検なら「事実→判定→推奨→優先度」、経営会議の差異なら「結果の数字→要因→見込み・対応」
- 量:項目の数と、1項目の文の数
- 数字の書き方:率どうしの差は「pt」、マイナスの記号、単位(円・件・百万円)
- 言葉:です・ます、所見と呼ぶか考察と呼ぶか、専門用語を言い換えるか
前月の所見や、社内でよく使う言い回しを2〜3文つけておくと、書きぶりを合わせやすくなります。
材料4:してはいけないこと
書いてほしくないことは、先に禁止として書いておきます。
- 表とメモにない数字を書かない。新しく計算しない
- メモにない原因を書かない。確かめていない原因は「〜と考えられます」、理由が分からないものは「確認中」と書く
- 「必ず」「確実に」など、結果を約束する言い方をしない
- 点検の判定や会計上の判断を変えない。新しく決めない
- ほかの取引先の名前や数字、社内向けの事情を書かない

プロンプトの例:広告・点検・経営会議のサンプルの数字で書くと?
ここからは、おまかせレポートで作った3種類のサンプル(2026年10月分。社名・数字はすべて架空)の数字で、プロンプトの例を示します。前月の所見と部門の回答の一部は、説明のために足しています。出力例は、指示どおりに書けた場合の形を示すために人が書いた作例で、実際のAIの出力ではありません。
広告の月次レポート:媒体別の数字と、変更の日付を渡す

広告運用レポートのサンプルの媒体別の数字を、そのまま材料1にします。
あなたは広告代理店の運用担当者です。クライアントに出す月次レポートの「所見」の下書きを書いてください。
【材料1:今月の数字】2026年10月。計算は済んでいます。単位は円・件
媒体|広告費|CV数|前月のCV数|CPA
Google 検索|612,000|148|121|4,135
Google P-MAX|318,000|61|52|5,213
Yahoo! 検索|236,000|52|47|4,538
Meta(Instagram)|248,000|38|33|6,526
LINE|90,000|13|11|6,923
合計|1,504,000|312|264|4,821
・CV数は前月比+18.2%。目標は300件
・CPAは前月比−10.3%。目標は5,000円以下
・CVRは2.86%で、前月差+0.36pt
【材料1:期間中の出来事】
・10/6 Google 検索に「ギフト 食品」系のキーワードを追加(10月のCVは46件)
・10/6 LPのファーストビューを入れ替え
・11月は歳暮需要でクリック単価が上がる見込み(運用担当の見立て)
【材料2:前月の所見】
・「ギフト 食品」系のキーワードを10月上旬に追加します
【材料3:書き方】
・3項目。各項目は「事実→原因の仮説→次の打ち手」の順に、2文以内
・事実は、前月比か目標と一緒に書く
・1項目目は、前月の所見で約束したことの結果から書く
・です・ます。専門用語はクライアントに伝わる言葉にする
【材料4:してはいけないこと】
・表とメモにない数字を書かない。新しく計算しない
・メモにない原因を書かない。確かめていない原因は「〜と考えられます」と書く
・「必ず」「確実に」など、結果を約束する言い方をしない
次の出力例は作例で、実際のAIの出力ではありません。
- 前月にお伝えした「ギフト 食品」系のキーワードを10/6に追加し、10月に46件のCVを獲得しました。Google 検索のCV数は前月の121件から148件に増え、全体のCV数は前月比+18.2%の312件で、目標の300件を達成しました。
- 同じ10/6にLPのファーストビューを入れ替えており、CVRが前月差+0.36ptの2.86%に上がったことが、CPAが目標を下回る4,821円になった主な要因と考えられます。
- Meta(Instagram)のCPAは6,526円、LINEは6,923円で、目標の5,000円を上回っています。11月は歳暮需要でクリック単価が上がる見込みのため、両媒体の予算の配分を見直すことをご提案します。
指標別・媒体別・状況別の言い回しを増やしたいときは、広告レポートの考察の書き方と例文50から、自社の書き方に近い例文を材料3に足してください。
点検報告書:点検者の判定とメモを渡し、判定はそのまま写させる

点検報告書のサンプルでは、48項目のうち異常なしが42、要観察が5、異常ありが1でした。判定は、点検した人が決めたものです。AIには判定を変えさせず、文にするところだけを頼みます。
あなたはビルメンテナンス会社の報告書の担当者です。建物の管理会社に出す定期点検報告書の「総合所見」の下書きを書いてください。
【材料1:点検の結果】2026年10月14日の月次点検。判定は点検者が決めたもので、変えません
点検項目48、異常なし42、要観察5、異常あり1
設備|点検項目|判定|点検者のメモ
電気|誘導灯|異常あり|B1F 階段(避難経路)1灯 不点灯。バッテリーの寿命とみられる。11月中に器具を交換。優先度 高(写真No.1)
給排水|排水管|要観察|5F パイプスペースの継手に錆。漏水・にじみなし。錆の除去と防錆塗装。優先度 中(写真No.2)
建築|外壁|要観察|南面2F付近にひび割れ。幅0.3mm、長さ約60cm。3か月ごとに幅を測る。優先度 中(写真No.3)
電気|非常照明|要観察|3F 東側 1灯の点灯が弱い
空調|空調機のフィルター|要観察|汚れが多い。清掃をすすめる
建築|屋上ドレン|要観察|落ち葉。点検時に清掃済み
【材料3:書き方】
・4行以内。1行目は、いちばん急ぐ指摘
・各行は「場所と事実→判定→推奨→優先度」の順に1〜2文
・写真番号を添える
【材料4:してはいけないこと】
・判定を変えない。新しく判定しない
・メモにない推奨・時期・費用を書かない
・「危険です」など、メモにない強い言い方をしない
この例では材料2(前月の所見)を省いています。前回から続いている指摘があるときは、前月の総合所見を足すと「前回ご報告した〜は」と経過から書けます。
次の出力例は作例で、実際のAIの出力ではありません。
- B1F 階段の誘導灯が1灯不点灯で、判定は異常ありです。避難経路のため、11月中の器具の交換をおすすめします(優先度 高、写真No.1)。
- 5F パイプスペースの排水管の継手に錆があります(要観察)。漏水・にじみはありません。錆の除去と防錆塗装をおすすめします(優先度 中、写真No.2)。
- 南面2F付近の外壁に、幅0.3mmのひび割れがあります(要観察)。3か月ごとに幅を測ります(優先度 中、写真No.3)。
- 屋上ドレンの落ち葉は、点検時に清掃しました。
所見の組み立て方と、空調・給排水・電気・建築の例文は、点検報告書の書き方(所見の例文20本)にあります。
経営会議資料:差異の数字と部門の回答を渡し、回答がないものは「確認中」と書かせる
経営会議の月次業績報告のサンプルの損益の数字です。単位は百万円で、差と予算比はExcelで計算してから渡します。
あなたは経営企画の担当者です。経営会議資料の「差異の理由」に載せるコメントの下書きを書いてください。
【材料1:損益の数字】2026年10月。単位は百万円。差=実績−予算、予算比=実績÷予算
科目|実績|予算|差|予算比
売上高|412.6|398.0|+14.6|103.7%
売上総利益|165.0|159.2|+5.8|103.6%
販管費|121.4|117.0|+4.4|103.8%
営業利益|43.6|42.2|+1.4|103.3%
・営業利益の累計(4〜10月)は予算比98.9%、予算との差−2.6
・販管費の差の内訳:人件費+2.1、広告宣伝費+1.6、外注費+0.4、その他+0.3
【材料1:部門の回答】
・人件費:導入支援の残業が増えた。稼働率96%
・広告宣伝費:11月の展示会の費用を10月に払った。11月の予算から振り替える
・外注費・その他:回答待ち
【材料3:書き方】
・販管費と営業利益の2科目。各科目は「結果の数字→要因→見込み・対応」の順に3文以内
・費用が予算より多いときは「超えました」と書く
【材料4:してはいけないこと】
・表にない数字を書かない。新しく計算しない
・部門の回答にない理由を書かない。回答がないものは「確認中」と書く
・会計処理の当否や、計上の時期の判断には触れない
次の出力例は作例で、実際のAIの出力ではありません。
- 販管費は121.4百万円で、予算を4.4百万円超えました(予算比103.8%)。導入支援の残業による人件費2.1百万円と、11月の展示会の費用を10月に払った広告宣伝費1.6百万円が主な理由です。広告宣伝費は11月の予算から振り替え、外注費0.4百万円とその他0.3百万円は理由を確認中です。
- 営業利益は43.6百万円で、予算を1.4百万円上回りました(予算比103.3%)。粗利の上振れ5.8百万円が、販管費の超過4.4百万円を上回ったためです。ただし4月からの累計は予算比98.9%で、あと2.6百万円届いていません。
有利差異・不利差異の書き分けや、科目別の言い回しは、予実差異のコメントの書き方と例文にまとめています。
3つの例に共通する組み立て
3つの例は、どれも「役割と読み手→材料1→材料2→材料3→材料4」の順です。毎月作り直す必要はありません。社内の共有フォルダにひな形として保存し、月ごとに材料1と材料2だけを差し替えます。確認で直した点は、翌月から材料4に1行ずつ足していきます。
出てきた下書きは、何をどう確かめる?
下書きは、そのまま出しません。次の図は、AIの下書きに出やすい誤りをわざと入れて人が書いた作例に、確認で赤を入れたものです(広告のサンプルの数字)。

確かめることを表にまとめます。右の列は、図の赤字の番号です。
| 確かめること | どう確かめるか | 図の番号 |
|---|---|---|
| 数字の突き合わせ | 下書きの数字に1つずつ印をつけ、材料の表の中で探す。表にない数字は消すか、Excelで計算して表に足してから使う。件と%、%とpt、符号、前月比と前年比、単月と累計の取り違えも見る。CPAや費用は目標を上回ると悪い方向なので、良い・悪いの向きも確かめる | 1・2・3 |
| 原因の裏取り | 原因を書いた文ごとに、出どころ(変更の記録、点検者のメモ、部門の回答)を1つ示せるかを見る。示せない原因は消すか「確認中」にする | 2 |
| 言い過ぎの削除 | 「確実に」「必ず」「〜が原因です」と言い切っていないか。根拠のない見込みや、判定・会計の判断に踏み込んだ言い方がないか | 2・4 |
| 社外秘の扱い | ほかの取引先の名前や数字、社内向けの事情(値引きの理由、担当者の評価など)が入っていないか。記号に置き換えて入れた名前を元に戻すとき、取り違えていないか | 5 |
| 先月の文の残り | 前月の所見を材料にしたとき、先月の月名・数字・打ち手が残っていないか | - |
数字の多いレポートでは、下書きをExcelに貼り、数字ごとに「表のどの行と一致したか」を書く列を作ると、どこまで見たかが分かります。確かめた人と日付も残しておくと、翌月に直した点を見返せます。
生成AIに入力してよいデータ・いけないデータは?
入力してよいかは、データの中身と、使うサービスの設定・契約の2つで決まります。どちらか一方だけでは決められません。
公的機関は何を求めている?
- 個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力するときは、利用目的の達成に必要な範囲かを十分に確かめるよう求めています。本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力する場合は、サービスの提供事業者がその個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確かめるよう求めています(生成AIサービスの利用に関する注意喚起等)
- AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、AIの利用者が取り組むこととして、個人情報や機密情報を不適切に入力しないよう注意することを挙げています(本編 p.40)
- IPAの10大脅威の解説書は、職場が認めていないAIサービスを個人のアカウントで業務に使う「シャドーAI」が、情報漏えいにつながるとしています。対策として、個人アカウントでの業務利用の制限、入力データを学習の対象から外す設定の徹底、契約時の約款の確認、社内の秘密情報を安易に入力しないことを挙げています
データの中身:そのまま入れる・置き換える・入れない
レポートの種類ごとに、分け方の例を示します。どれも、使うサービスが下の「設定・契約」の条件を満たしていることが前提です。
| 広告の月次レポート | 点検報告書 | 経営会議資料 | |
|---|---|---|---|
| そのまま入れる | 媒体・キャンペーン別の費用・CV・CPA、設定を変えた日 | 点検項目と判定、件数、点検者のメモ(場所と状態) | 科目別の実績・予算・差、部門の回答のメモ |
| 記号に置き換えて入れる | クライアント名、商品名(「A社」「商品1」に) | 物件名、所在地、テナント名(「物件A」に) | 取引先名、担当者名(「取引先1」に) |
| 入れない | 管理画面のID・パスワード、ほかのクライアントの数字、購入者の個人情報 | 入居者・利用者の氏名や連絡先、入館の暗証番号 | 個人別の給与・人事評価 |
取引先から預かったデータは、取引先との契約で使い方が決まっている場合があります。社外のサービスに入れてよいかが契約から読み取れないときは、取引先に確かめます。外注先が生成AIを使う場合の確かめ方は、レポート作成を外注するときのセキュリティにまとめています。
サービスの設定・契約:個人向けのプランか、法人向けのプランか
同じ会社の生成AIでも、個人向けのプランと法人向けのプランで、入力した内容の扱いが違います。次は、各社の公式の説明で確かめた内容です(2026年11月3日時点)。どのサービスを選ぶかではなく、使うと決めたサービスのどこを見るかの例として読んでください。
- ChatGPT(OpenAI):個人向け(Free・Plus・Pro)は、会話がモデルのトレーニングに使われることがあり、[設定]の[データ管理]で[すべての人のためにモデルを改善する]をオフにできます。ChatGPT Business・Enterprise・Edu と API の入出力は、デフォルトでモデルの改善に使われないとしています(OpenAI ヘルプ「モデルのパフォーマンスを向上させるためのデータの使用方法」)
- Claude(Anthropic):個人向け(Claude Free・Pro・Max)は、利用者が改善への利用を許可した場合などに会話を使うとしています(Anthropic Privacy Center(個人向け))。法人向け(Claude for Work、Anthropic API など)の入出力は、デフォルトでモデルのトレーニングに使わないとしています(Anthropic Privacy Center(法人向け))
- Gemini(Google):個人向けの Gemini アプリは、[アクティビティの保存]がオンだと、人によるレビューを交えて、生成AIモデルのトレーニングを含むサービスの改善に使われるとしています。オンのときは機密データを入力しないよう案内しています(Gemini アプリのプライバシー ハブ)。Google Workspace の Gemini は、プロンプトなどが許可なくドメインの外で生成AIモデルのトレーニングに使われることはないとしています(Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ)
- Microsoft Copilot(Microsoft 365 の法人向け):プロンプト、応答、Microsoft Graph 経由でアクセスされるデータは、基礎となる大規模言語モデルのトレーニングに使われないとしています(Microsoft Learn「Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ」)
もう1つ気をつけたいのが、回答への評価のボタンです。ChatGPTの個人向けプランとClaudeでは、回答に高評価・低評価をつけると、その会話が学習に使われることがあると説明されています(ChatGPTの個人向けは、学習をオフにしていても)。業務で使うときは、評価のボタンを押さないと決めておきます。設定の名前や条件は変わることがあるので、使い始める前と、年に1回は公式の説明を見直します。

毎月の所見づくりを、AIの下書きから仕組みにするには?
AIで下書きしても、材料をそろえる作業と、確認の作業は毎月残ります。続けやすくする方法は3つあります。
- プロンプトと材料の形を決める:プロンプトをひな形にして保存し、材料1の表はレポートと同じExcelから毎月同じ形で出します。確認で直した点は、材料4に足していきます
- 集計と材料づくりを自動にする:前月比の計算、表とグラフの更新を仕組みにすると、人は所見の確認に時間を使えます。道具の選び方は、冒頭に挙げた比較の記事にまとめています
- 作成ごと任せる:集計・グラフ・体裁から所見の下書きまでを外に出し、社内は確認と仕上げに集中します
おまかせレポートは3つ目の方法です。御社のテンプレートとトンマナのまま、AIと人で作成し、人が元データと数字を突き合わせて確認します。所見は下書きとしてお出しし、御社が確認して、御社の名前で出していただきます。点検結果の判定や会計の判断はしません。料金は初期費用0円、基本料金 月額3万円(税別、5件まで)、6件目から1件 月5,000円です。御社の環境で自動でレポートが出る仕組みを作り、手順書と一緒に納品するレポート自動化は、個別見積りです。
クライアントごとに月次レポートの所見を書いている広告代理店向けの料金の例は、広告代理店・Web運用会社向けのページに載せています。今のレポートを1本お預かりして、同じ型で所見の下書きまで1回分を作る無料のお試しも受け付けています。
よくある質問
Q.生成AIに所見を書かせても大丈夫ですか?
下書きには使えます。前月比などの計算はExcelで済ませてから渡し、原因はメモや部門の回答にあるものだけを書かせます。出てきた文は、数字の突き合わせ、原因の裏取り、言い過ぎの削除、社外秘の扱いの4点を人が確かめてから、会社の名前で出します。
Q.無料のAIサービスで所見を下書きしてもいいですか?
先に会社のルールを確かめます。個人向けのプランは、入力した会話が学習に使われる設定になっている場合があります。業務のデータは、会社が利用を認め、入力が学習に使われない設定・契約のサービスに入れ、個人名や取引先名は記号に置き換えます。
Q.AIに前月比の計算もさせてよいですか?
おすすめしません。生成AIは指示どおりの結果を出すとは限らず、計算を誤ることがあります。前月比・差額・率はExcelの数式で出して表にして渡し、プロンプトに「新しく計算しない」と書きます。下書きに表にない数字が出たら、消すか、計算して表に足してから使います。
Q.AIで下書きしたことを、取引先に伝える必要はありますか?
取引先との契約や社内のルールで決まっていれば、それに従います。契約に生成AIの利用の条件がないかは、使い始める前に確かめます。どの場合も、出す文の数字と内容は担当者が確かめ、会社として責任を持って出します。
Q.プロンプトは毎月作り直す必要がありますか?
作り直す必要はありません。役割、4つの材料の順に組んだプロンプトをひな形として保存し、毎月は数字の表、出来事のメモ、前月の所見だけを差し替えます。確認で直した点は、翌月から「してはいけないこと」に1行ずつ足していきます。