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業務委託の月次報告書の書き方:稼働報告の項目と記入例【サンプル付き】

業務委託の月次報告書の書き方:稼働報告の項目と記入例【サンプル付き】

この記事のポイント

  • 業務委託の月次報告書は、委託された業務を1か月でどれだけ、どの水準で行ったかを、取引先に数字と文で伝える書類です。時間で精算する契約なら稼働時間、件数や水準で見る契約なら処理件数と目標(SLA)の達成が中心になります
  • 入れる項目は、対象期間、業務の範囲、処理件数・稼働時間、品質(ミス・差し戻し)、SLA・目標の達成、問題と対応、改善の提案、来月の予定の8つです
  • 文は「数字 → 要因 → 対応」の順で書きます。目標に届かなかった月も、最初に数字を書き、理由と次の手を続けます
  • 報告の項目・頻度・期限・数字の定義は、契約書や仕様書で決まっていることがあります。公開されている自治体のコールセンター業務の仕様書では、月次報告を翌月5営業日(5運用日)までに出すと決めていました
  • 民法第645条は、委任の受任者に、委任者から請求があったときと委任が終わった後の報告を求める条文です。毎月の報告の項目や期限は条文にないので、契約書や仕様書で決めておくのが確実です

業務委託の月次報告書とは、委託された業務を1か月でどれだけ、どの水準で行ったかを、取引先(委託元)に数字と文で伝える書類です。稼働報告書、月次業務報告書、業務実績報告書とも呼ばれます。時間で精算する契約なら稼働時間、件数や品質の水準で見る契約なら処理件数と目標(SLA)の達成が中心になります。

先に結論を書きます。

  • 入れる項目は、対象期間、業務の範囲、処理件数・稼働時間、品質(ミス・差し戻し)、SLA・目標の達成、問題と対応、改善の提案、来月の予定の8つ
  • 文は「数字 → 要因 → 対応」の順で書く。目標に届かなかった月ほど、最初に数字を書く
  • 項目・頻度・期限・数字の定義は、契約書や仕様書に書かれていることがある。書き始める前にそこを確かめる

この記事では、BPO の月次業務報告書の実物サンプル(全6ページ)を使って、項目の並べ方と書き方の例文を示します。

この記事は、レポート作成代行(おまかせレポート)を提供している inovie株式会社 が書いています。サンプルの会社名と数字はすべて架空です。法令は e-Gov で本文を確かめた条文だけを引用し、個別の契約がどの種類に当たるかの判断はしていません。

社内の上司や経営者に出す業務報告書(日報・週報・月報)の書き方は「業務報告書の書き方」にまとめています。この記事は、委託先から委託元に出す月次の報告を扱います。

業務委託の月次報告書とは?稼働報告書・作業報告書との違い

呼び方は会社や契約によってばらばらで、決まった区別はありません。この記事では、中心になる中身で次のように分けて呼びます。

呼び方 中心になる中身 使われる場面の例
稼働報告書 働いた日と時間(稼働時間)、その時間でした作業 時間で精算する契約。フリーランスの事務・開発、客先での作業など
月次業務報告書 処理件数、品質、目標(SLA)の達成、問題と改善 コールセンター、事務処理、データ入力など、件数と水準で見る業務
作業報告書 1回の作業で何をして、結果どうなったか 修理・清掃・点検など、1件ごとの作業(作業報告書の書き方)

どの呼び方でも、取引先が月次の報告で確かめたいのは次の3つです。

  1. 約束した仕事をしたか:業務の範囲と量(件数・時間)
  2. 約束した水準を守ったか:品質と目標(SLA)の達成
  3. 何が起きて、来月どうするか:問題と対応、改善の提案、来月の予定

SLA(サービスレベルアグリーメント)は、取引先と取り決めたサービスの水準のことです。「応答率95%以上」「平均処理時間4分30秒以内」のように、数字で決めます。

月次報告書に入れる項目は?8項目の一覧

月次報告書には、次の8項目を入れます。記入例は、後で見る BPO のサンプル(株式会社サポートワンがサンプル通販株式会社に出す、カスタマーサポート業務の2026年10月度の報告書)の数字です。

項目 書く内容 記入例(サンプル・架空) サンプルのページ
1. 対象期間・宛先 何月分か、期間の初日と末日、宛先、作成日 2026年10月度(10月1日〜31日)、サンプル通販株式会社 御中、2026年11月6日 1(表紙)
2. 業務の範囲 契約で受けた業務の名前。今月増えた・減った業務 カスタマーサポート業務 1(表紙)
3. 処理件数・稼働時間 件数と前月比、1日あたり、内訳。時間で精算するなら日ごと・業務ごとの時間と合計 対応件数18,436件(前月比+7.8%、1日あたり595件)、内訳は配送・お届け6,268件など6分類 2・3・4
4. 品質(ミス・差し戻し) ミスや差し戻しの件数と率、前月との比較、内容 処理ミス6件(ミス率0.03%、前月9件)、一次解決率84.0% 2・5
5. SLA・目標の達成 取り決めた目標と実績、達成したかどうか 応答率96.2%(目標95.0%)、平均処理時間4分12秒(目標4分30秒以内) 2・5
6. 問題と対応 今月起きたこと、その影響、取った対応 セール明けの10/13〜14に問い合わせが集中(最多は13日の911件)。セール前にシフトを2名増やした 2・3
7. 改善の提案・報告 今月変えたことと前後の数字、取引先への提案 返品の受付の平均処理時間を6分40秒から4分50秒に。発送完了メールを1日早める提案 4・6
8. 来月の予定 来月やること、相談したいこと 配送の問い合わせを減らす施策を試す 6

1と2は毎月ほとんど同じなので、先月のファイルを写したまま期間や宛先が古い、という間違いが起きやすいところです。3〜5は数字、6〜8は文が中心になります。数字は仕組みで集計できても、6〜8の理由と打ち手は、現場を知っている人にしか書けません。

実物で見る:BPOの月次業務報告書のサンプル(全6ページ)

ここからは、おまかせレポートで作った BPO の月次業務報告書のサンプルで、8項目の並び方を見ます。カスタマーサポートを受託している会社から委託元へ毎月出す報告書で、元データは、コールセンターのシステム(CTI)と問い合わせ管理ツールのログ、シフトと稼働の記録、品質チェックの結果です。ページ番号は表紙を1ページ目として数えています。

BPOの月次業務報告書のサンプル(架空)の6ページと、8項目の対応を示した図。1ページ目の表紙には対象期間・宛先と業務の範囲。2ページ目の業務ハイライトには処理件数、品質、SLA・目標、問題と対応。3ページ目の日別の対応件数には処理件数と問題と対応。4ページ目の問い合わせの内訳には処理件数と改善の報告。5ページ目の品質の推移には品質とSLA・目標。6ページ目の改善のご報告には改善の提案と来月の予定。稼働時間はこのサンプルには入っていない
図1 8項目は、6ページのどこにある?

2ページ目:業務ハイライトで、4つの数字と目標を1枚に見せる

BPOの月次業務報告書のサンプルの業務ハイライトのページ。対応件数18,436件(前月比+7.8%、1日あたり595件)、応答率96.2%(前月差+1.1pt、目標95.0%)、平均処理時間4分12秒(前月差−18秒、目標4分30秒以内)、処理ミス6件(ミス率0.03%、前月9件)の4つを大きな数字で並べ、それぞれに5月から10月までの棒グラフを付けている。下の帯に、10/13〜14のセール明けに問い合わせが集中したが、シフトを前倒しして応答率を保ったと書いている

最初のページで、取引先が気にする4つの数字(対応件数・応答率・平均処理時間・処理ミス)を、前月との差と目標とあわせて並べています。項目でいうと、3の処理件数、4の品質、5の SLA・目標の達成が1枚にまとまっています。

見出しは「対応件数は前月比+7.8%の18,436件」のように、今月の結論を数字で1文にします。下の帯の「シフトを前倒しして応答率を保ちました」は、6の問題と対応です。いちばん大きな出来事を1文添えると、取引先は最初のページで月の全体をつかめます。

3〜4ページ目:件数の中身と、問題と対応

3ページ目は日別の対応件数です。最多は13日の911件で、横の「ポイント」に、平日は1日600〜700件、土日は400件前後であること、13〜14日はセールの配送に関する問い合わせが中心だったこと、セール前にシフトを2名増やしたことを書いています。ピークの日と理由、取った対応が1か所にそろっているので、6の問題と対応の書き方の見本になります。

4ページ目は問い合わせの内訳です。最も多い配送・お届け(6,268件、34.0%)から、その他(1,107件、6.0%)までの6分類を、件数と割合の両方で載せています。右の「前月からの変化」には、返品・交換が FAQ 12本の追加で9%減ったことを書いています。件数の内訳に、改善の結果を添えた形です。

5ページ目:品質の推移と目標の線

5ページ目は、応答率と一次解決率の5月から10月までの推移です。応答率は93.1%から96.2%に、一次解決率は78.2%から84.0%に上がっています。応答率のグラフには目標の95%の線を引き、目標を上回った月と下回った月がひと目でわかるようにしています。

横の「改善の理由」には、4月から始めた回答テンプレートの整備で一次解決率が毎月上がっていること、9月は新人の配属で応答率が一時的に下がったことを書いています。下がった月があっても、その理由を書いておけば、取引先は数字の動きを納得して読めます。

6ページ目:改善のご報告と来月の提案

BPOの月次業務報告書のサンプルの改善のご報告のページ。返品の受付は平均処理時間が9月の6分40秒から10月は4分50秒(−1分50秒)、返品・交換の問い合わせは9月の4,457件から10月は4,056件(−9%)、セール時の応答率は前回のセールの91.2%から今回は95.8%(+4.6pt)と、3つの改善を前と後の数字で並べている。下に、発送完了メールを1日早めると「いつ届くか」の問い合わせを減らせる見込み、という来月のご提案がある

最後のページは、7の改善と8の来月の予定です。3つの改善について、何を変えたか(電話での聞き取りをやめ、チャットボットで理由・注文番号・商品の状態を先に集める、など)と、前と後の数字を並べています。下の帯の「発送完了メールを1日早めると、『いつ届くか』の問い合わせを減らせる見込みです」は取引先への提案で、見出しの「来月は配送の問い合わせを減らす施策を試します」が来月の予定にあたります。

受託した側が「言われたことをこなした」だけでなく、件数を減らす提案までしていることを伝えるページです。改善の材料がない月でも空欄にならないよう、毎月1つは改善か提案を載せる型にしておきます。→ BPO の月次業務報告書のサンプルを全ページ見る

サンプルに入っていないもの

このサンプルは件数と水準で見る契約の報告書なので、稼働時間は載せていません。業務の範囲は表紙の業務名だけ、処理ミスは件数と率だけです。時間で精算する契約なら稼働時間を(後の節の記入例を参照)、取引先がミスの内容を求めるなら1件ずつの内容と再発防止を足します。

ほかの業種も含めた6種類のサンプルは、レポートの実物サンプル集にあります。

書き方の例文:数字 → 要因 → 対応の順で書く

月次報告書の文は、数字 → 要因 → 対応の順で書きます。最初に結果の数字(前月比や目標との差を含む)、次にそうなった理由、最後に取った対応か来月の手です。予算と実績の差を説明する予実差異のコメントと同じ組み立てです。

1文を数字、要因、対応の3つに分けて書く例を示した図。数字は「セール明けの10/13〜14に問い合わせが集中し、最多は13日の911件でした」。要因は「セールの配送に関する問い合わせが中心です」。対応は「セールの前日からシフトを2名増やし、セール時の応答率は95.8%を保ちました(前回のセールは91.2%)」。下に悪い例「セールの影響で忙しい月でしたが、問題なく対応しました」を並べ、数字も理由もなく、取引先が聞き返すことになると示している
図2 1文を3つの部品に分けると、聞き返されない

項目ごとの悪い例と良い例

数字は、サンプル(架空)のものです。

項目 悪い例 良い例
処理件数 今月も多くのお問い合わせに対応しました。 対応件数は18,436件で、前月より7.8%増えました。セール明けの10/13〜14に配送の問い合わせが集中し、最多は13日の911件でした。
目標を上回った 応答率は目標を達成しました。 応答率は96.2%で、目標の95.0%を1.2pt上回りました。セールの前日からシフトを2名増やし、問い合わせが集中した日も待ち時間を抑えました。
前月より下がった 9月は少し応答率が落ちました。 9月の応答率は95.1%で、前月の95.6%から0.5pt下がりました。新人の配属によるもので、目標の95.0%は上回っています。
品質(ミス) ミスはほとんどありませんでした。 処理ミスは6件(ミス率0.03%)で、前月の9件から3件減りました。
問題と対応 セールで忙しかったです。 10/13〜14はセールの配送の問い合わせが集中しました。シフトを前倒しして、セール時の応答率は95.8%を保ちました(前回のセールは91.2%)。
改善の報告 返品対応を効率化しました。 返品の受付を、電話での聞き取りからチャットボットで先に情報を集める形に変え、平均処理時間を6分40秒から4分50秒に短くしました。
来月の予定・提案 引き続き改善に努めます。 発送完了メールを1日早めると、「いつ届くか」の問い合わせを減らせる見込みです。11月に試し、11月分の報告で件数の変化をお伝えします。

悪い例は、数字・理由・来月の手のどれかが欠けています。欠けると取引先から「何件ですか」「なぜですか」と聞き返され、メールの往復が増えます。

目標に届かなかった月の書き方

サンプルの6月は、応答率が94.0%で、目標の95.0%に届いていません。この月の報告なら、次のように書きます(理由と対応は、書き方の例として足したものです)。

応答率は94.0%で、目標の95.0%に1.0pt届きませんでした。月末の2日間に配送の遅れについての問い合わせが重なり、待ち時間が延びたためです。7月からは、配送の遅れがわかった時点でご連絡をいただき、その日のシフトを前倒しする手順に変えます。

未達の月に気をつけることは3つです。

  • ハイライトのページに書く:達成した数字だけを前に出し、未達を後ろのページに小さく書くと、後で気づかれたときに報告書全体の信頼を落とします
  • 目標の定義を変えない:応答率の分母を変える、対象の時間帯を絞るなどして、数字を目標に合わせない。定義を変える必要があるなら、取引先と相談して合意してから変えます
  • 「〜と思われます」で終えない:理由がまだわからないなら「原因は調査中で、11月10日までにご報告します」と、いつわかるかを書きます

稼働時間を報告するときの書き方は?

時間で精算する契約では、稼働時間が請求の根拠になります。件数や品質よりも、何日・何時間、どの業務をしたかを正確に書くことが中心です。次は、フリーランスが事務の業務を請けて、時間で精算している場合の記入例です(すべて架空です)。

項目 記入例(架空)
対象期間 2026年10月1日〜10月31日
業務の範囲 契約書の別紙に書いた業務(受注データの入力、問い合わせメールの一次返信)
稼働日数・稼働時間 21日・148.5時間(日ごとの時間は別表)
契約で決めた時間の範囲 月140〜180時間(今月は範囲内)
業務ごとの時間 受注データの入力 96.0時間、問い合わせメールの一次返信 41.5時間、打ち合わせ・手順書の更新 11.0時間
問題と対応 10月20日に、手順書と違う形式のデータが届き、確認のため2日分の入力が翌日にずれました。手順書に、届くデータの形式の例を足しました
来月の予定 11月は受注が増えるため、稼働は170時間前後になる見込みです。180時間を超えそうなときは、11月20日までにご相談します

書くときの決まりは4つです。

  1. 対象期間と締め日を、請求書とそろえる:報告書は月末締め、請求書は20日締め、のようにずれていると、時間が合わなくなります
  2. 合計だけでなく、日ごと・業務ごとの時間を出す:合計だけでは、取引先が中身を確かめられません。日ごとの時間は別表にして、業務ごとの合計を本文に書きます
  3. 契約で時間の範囲を決めているなら、範囲に入ったかを書く:超えそうな月は、超える前に相談したことも書いておきます
  4. 作業は「対応」「その他」で終わらせない:「資料作成、MTG、その他対応 計148.5h」ではなく、何の業務に何時間かを書きます

取引先によっては、報告書に確認の印や承認を求めることがあります。誰がいつまでに確認するかも、契約書や取引先の決まりで確かめておきます。

報告の項目・頻度・期限は、契約書と仕様書で決まっていることがある

月次報告書に何を書くか、いつまでに出すかは、受託した側が自由に決めてよいとは限りません。契約書や仕様書(業務の明細)に、報告の項目・頻度・期限、数字の計算式まで書かれていることがあります。書き始める前に、まずそこを確かめます。

公開されている仕様書の例

自治体が委託したコールセンター業務の仕様書のうち、公開されている2つを見ると、報告を次のように決めています。

吹田市(ワクチン接種のコールセンター・ヘルプデスク) 宮城県(介護サービス事業者の電子申請の相談窓口、令和7年度)
日次 1時間ごとの着信回数・応答件数・不応答数・応答率、入電内容別の件数など。翌運用日にメールで 受付チャネル別・内容カテゴリー別の件数、エスカレーション件数など。原則翌開庁日の午後5時までに、Excel で
週次 週1回の定例報告会(稼働状況、改善提案など) 前週の集計と、特に多かった問い合わせ。原則翌週月曜日の午後5時までに、Excel で
月次 日ごとの着信件数・応答件数・不応答数・応答率、入電内容別の件数など。当該月の翌月5運用日までにメールで 日次・週次の統計と分析、問い合わせの傾向と今後の対応策、課題の共有と業務改善策の提案など。原則翌月5営業日までに
数字の扱い 月間応答率は「応答件数÷PBX 着信件数」で、目標は90%。報告書と、システムから出る稼働履歴・着信回数などの証憑データとの整合性を確かめてから報告する 日次・週次の報告は、発注者側で加工しやすいように Excel で出す

出典:吹田市「新型コロナウイルスワクチン接種コールセンター・ヘルプデスク運営業務 仕様書」(11 コールセンターサービス要件、12 業務報告)、宮城県「令和7年度介護サービス事業者電子申請・届出システム利用促進業務仕様書」(業務報告の表)。2026年11月3日に原文を確認。

どちらも、月次報告に件数だけでなく傾向の分析と改善の提案まで求めています(この記事の6〜8の項目)。期限は翌月5営業日(5運用日)と短く、応答率の計算式や元の記録との突き合わせまで決めています。計算式が決まっているなら報告書もその式で出し、欄外に式を書いておきます。民間どうしの契約でも、取引先の指定する様式や項目があれば、それが報告書の骨組みになります。

月次報告書を書き始める前に、契約書と仕様書で確かめる6つを並べたチェックリストの図。1 頻度(日次・週次・月次のどれを出すか)、2 期限(翌月5営業日までなど)、3 項目(件数・応答率・内訳など決められた中身)、4 数字の定義(応答率は応答件数÷着信件数などの計算式)、5 形式と出し方(Excel・PDF・指定の様式、メールで送るなど)、6 確認と証憑(元の記録との突き合わせ、求められたときに出す記録)。報告書と書類を見比べる担当者のイラストを添えている
図3 書き始める前に、契約書と仕様書で確かめる6つ

民法の条文には何が書いてある?

民法には「業務委託」という名前の契約はありません。民法が定める契約には、請負(第632条)や委任(第643条)などがあり、委任の節には報告についての条文があります(民法 第645条・第656条、e-Gov 法令検索)。

第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

第656条は、委任の節の決まりを、法律行為でない事務の委託(準委任)にも当てはめる条文です。一方、請負の節(第632条〜第642条)には、報告について定めた条文はありません。

第645条が書いているのは「委任者の請求があるとき」と「委任が終了した後」の報告で、毎月の報告の項目や期限までは書かれていません。そのため、月次の報告を出すなら、上の仕様書のように契約書や仕様書で決めておくのが確実です。自分の契約が請負・委任・準委任のどれに近いかは契約の中身によるため、この記事では判断しません。迷うときは、契約書を確かめたうえで専門家に相談してください。

サンプルと同じ項目で作れる「業務報告書のテンプレート(Excel)」もあります。記入例はこの記事の数字と同じです。

月次報告書でよくある失敗は?

失敗 起きること 防ぎ方
先月のファイルを写して、対象期間や日付が先月のまま 取引先が気づくと、ほかの数字まで疑われる 表紙・ヘッダー・ファイル名の期間を、最初に直す
数字だけで、理由が書いていない 「なぜ増えたのか」と聞き返され、往復が増える 大きく動いた数字には、理由を1文添える
目標に届かなかったことを、後ろに小さく書く 後で気づかれたとき、報告書全体の信頼を落とす 未達もハイライトのページに書く
数字の定義が月によって違う 前月と比べられない 計算式を欄外に書き、契約で決めた定義に合わせる
報告書の数字と、システムの記録が合わない 証憑を求められたときに説明できない 出す前に、元の記録と突き合わせる
取引先ごとに書式が違い、毎月作り分けている 月初に作業が集中し、期限に遅れる 項目の骨組みをそろえ、見た目だけ取引先に合わせる

毎月の作成を楽にするには?

取引先が増えるほど、月初の数日で何本もの報告書を、それぞれの書式で作ることになります。楽にする方法は、大きく3つです。

自分で作る(テンプレート・前月のファイル) 仕組みで自動化する 作成を任せる
向く場合 取引先が少なく、書式が1つ 元データの形が毎月同じで、社内に直せる人がいる 取引先が多い、書式が取引先ごとに違う、所見まで手を離したい
社内に残る作業 全部 問題と対応・改善の提案の文、最後の確認 届いたものの確認と、事実の書き足し
気をつけること 先月の数字や期間の写し残し 元データの形が変わった月に止まる データの渡し方と情報の扱い

自動化の方法(Excel、GAS、Looker Studio、生成AI など)の比べ方は、同じ BPO のサンプルを使って「月次報告書を自動作成する6つの方法を比較」にまとめています。問題と対応・改善の提案の文を生成AIに下書きさせるときの頼み方と確かめ方は、「生成AIでレポートの所見を下書きする方法」にあります。作成を外に任せるときに頼めることと費用の相場は、「月次レポート・報告書の作成代行とは」を見てください。

取引先ごとに、どの報告書がデータ待ちで、どれが確認待ちかを1枚で見るには、月次レポートの作成進捗の管理表(Excel)が使えます。

おまかせレポートでは、システムのログやシフト表の書き出しを共有ドライブに入れていただくだけで、取引先ごとの月次報告書を御社の書式のまま作ります。料金は基本料金 月額3万円(税別、5件まで)で、6件目から1件 月5,000円(税別)です。取引先10社なら月額55,000円(税別)になります(初期費用0円、最低契約期間6ヶ月)。BPO・業務委託の会社向けの案内は「BPO・業務委託の月次報告書の作成代行」にまとめています。今お使いの報告書を1本お預かりして、同じ型で1回分を作る無料のお試しも受け付けています。

よくある質問

Q.業務委託の月次報告書に決まった様式はありますか?

取引先が様式を指定していれば、それを使います。契約書や仕様書に様式・項目・提出期限が書かれていることがあるので、まずそこを確かめます。指定がなければ、この記事の8項目を骨組みにして作り、取引先に見てもらってから使い始めます。

Q.稼働報告書と業務報告書は何が違いますか?

決まった区別はありません。この記事では、働いた日と時間(稼働時間)を中心に報告するものを稼働報告書、処理件数や品質など業務の結果を中心に報告するものを業務報告書と呼んでいます。呼び方は、契約書や取引先が使っている名前に合わせます。

Q.目標(SLA)に届かなかった月は、どう書けばいいですか?

未達を最初に数字で書き、理由と次の手を続けます。「応答率は94.0%で、目標の95.0%に1.0pt届きませんでした」と書いてから、何が原因だったか、来月なにを変えるかを書きます。未達を報告書の後ろに小さく書くと、かえって信頼を落とします。

Q.月次報告書はいつまでに出せばいいですか?

契約書や仕様書で決めた期限に合わせます。公開されている自治体のコールセンター業務の仕様書では「当該月の翌月5運用日まで」「原則翌月5営業日まで」と決めている例がありました。決まっていなければ、取引先の月次の会議や締めに間に合う日を相談して決めておきます。

Q.報告書の作成を外に任せても、自社の名前で出せますか?

おまかせレポートでは、当社の名前は入れず、御社の書式のまま作ります。所見やコメントは下書きとしてお渡しし、御社で確認したうえで、御社の名前で取引先に出していただきます。

桒谷 一成

inovie株式会社 代表取締役。AIによる業務代行(BPO)と、AIエージェントの開発をしています。自社の月次報告書・サービス資料・見積書もAIで自動作成しています。