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店舗別の月次報告書の作り方:FC本部・多店舗の売上・客数・客単価の見せ方

店舗別の月次報告書の作り方:FC本部・多店舗の売上・客数・客単価の見せ方

この記事のポイント

  • 店舗別の月次報告書は、全店ハイライト、売上の推移、店舗別の前年比、エリア別の一覧、前年差の要因、本部所見と来月の重点の6つで組むと、経営会議にも加盟店にも同じ型で出せます
  • 売上は客数×客単価に分けて書きます。売上が前年を上回っていても、客数が減って客単価で補っている店舗があります(サンプルの天王寺店は売上103.1%、客数98.2%、客単価105.0%)
  • 前年比は既存店と全店を分けて並べます。サンプルでは全店108.0%、既存店102.4%で、差は新店2店の上乗せ1,136万円と閉店1店の443万円です
  • エリアや全店の前年比・客単価は、店舗の比率を平均せず、合計どうしで割ります。新店と閉店した店舗の入れ方を誤ると、同じ月の前年比が98.7%にも112.0%にもなります
  • 店舗コメントは「結果の数字→客数か客単価か→理由→本部の対応(誰が・いつ)」の順に、1店2〜3文で書きます

店舗別の月次報告書とは、FC本部や多店舗の本部が、店舗ごとの1か月の売上・客数・客単価を前年や予算と比べてまとめ、加盟店や経営会議に出す報告書です。売上報告書のうち、店舗を並べて比べるものを指します。

作るときに押さえるのは3つです。売上を客数と客単価に分けること、既存店と全店を分けること、エリアや全店の比率は合計どうしで割ること。店舗ごとのコメントは、数字のあとに理由と本部の対応を続けます。

この記事では、入れる項目、実物サンプル7ページの構成、指標の分け方とよくある誤り、店舗コメントの悪い例と良い例、POS のデータから配るまでの毎月の手順をまとめます。報告書全般に共通する書き方は「報告書の書き方」にあります。

この記事は、レポートの作成代行と自動化(おまかせレポート)を提供している inovie株式会社 が書いています。例に使う社名(株式会社こむぎ日和)と数字は、実物サンプルとテンプレートの記入例の架空のものです。

店舗別の月次報告書には何を入れる?

入れるものは次の6つです。上から順に、全体の結論から店舗の細かい数字へ降りていき、最後に本部の所見と来月の重点で締めます。

項目 書くこと 主に読む人
全店ハイライト 全店売上と前年比・前年差、既存店の売上・客数・客単価の前年比 経営、全加盟店
売上の推移 12か月分の今年と前年の売上 経営
店舗別の前年比 既存店を前年比の高い順に並べたグラフ 本部、SV
エリア別の一覧 店舗ごとの売上・客数・客単価とそれぞれの前年比。予算比、廃棄率・人件費率など SV、エリアの責任者、加盟店
前年差の要因 前年からの増減を、既存店の客数・客単価、新店、閉店に分けた金額 経営
本部所見と来月の重点 所見3点ほど、来月の施策と臨店の予定、来月の目標 全員

廃棄率や人件費率のように売上以外の数字を入れるかどうかは、業態で決めます。入れる場合も、売上・客数・客単価の列とは分けて右側に置くと、表が読みやすくなります。

経営会議向けと加盟店向けで変えるところ

同じ数字から作っても、出す相手によって見せ方を変えます。

経営会議向け 加盟店オーナー向け
主役の数字 全店・既存店・エリアの計、前年差の要因 自店の数字と、全店・エリアの計との比較
ほかの店舗の数字 すべて載せる どこまで見せるかを本部で決める(店名入りの順位、エリアの計だけ、など)
所見 全体の方針、手を打つ店舗 自店への助言と、本部が来月すること
ページの組み方 全店分を数ページ 全店の概況と、自店のページ

実物で見る:店舗別の月次売上報告のサンプル(全7ページ)

おまかせレポートで作った店舗別の月次売上報告のサンプルは、ベーカリーのFC本部(営業店舗25店)が加盟店と経営会議に出す、2026年10月度の報告書です。元データは、POS レジの店舗別日報(CSV)、前年の実績、店舗マスタ(エリア・開店日)です。社名と数字はすべて架空です。

ページ 内容 見るところ
1 表紙 対象月(2026年10月度)と宛先(加盟店オーナー各位)
2 全店ハイライト 全店売上13,281万円(前年比+8.0%、前年差+981万円)、既存店23店の売上102.4%・客数101.4%・客単価101.0%
3 売上の推移 2025年11月〜2026年10月の今年と前年の棒グラフ。12か月のうち11か月で前年超え
4 店舗別の前年比 既存店23店の横棒グラフ。15店が前年超え、下位は高槻店93.5%・茨木店93.6%
5 エリア別の一覧 大阪北・中央エリア12店の売上・客数・客単価と前年比、廃棄率・人件費率。前年比105%以上を赤、97%未満を灰色で塗る
6 前年差の要因 前年の12,300万円から、既存店の客数+175万円、客単価+113万円、新店+1,136万円、閉店▲443万円を経て13,281万円になる滝グラフ
7 本部所見と来月の重点 所見3点、11月の重点4件、11月の目標(全店売上13,900万円、既存店前年比102.0%、新商品の販売数12,000個)

2ページ目は、1枚で月の結論がわかるページです。見出しに「全店売上は前年比+8.0%の13,281万円。既存店も客数・客単価ともに前年を上回りました」と結論を書き、その下に全店と既存店の数字を並べています。

店舗別の月次売上報告のサンプル(架空)の全店ハイライトのページ。全店売上13,281万円(前年比+8.0%、前年差+981万円)、既存店売上の前年比102.4%(前年差+288万円、対象23店)、既存店客数の前年比101.4%(前年差+1,710人、今年120,982人)、既存店客単価の前年比101.0%(前年差+10円、今年1,004円)の4つの数字を横に並べ、下に「既存店23店のうち15店が前年超え」と、営業店舗は25店(新店2・閉店1)であることを書いている

4ページ目は、手を打つ店舗を探すページです。100% の線から左右に棒を伸ばすと、前年を下回った店舗が下にまとまります。右側の「本部の見立て」には、上位と下位の店舗の理由と、SV の臨店の予定を書いています。

店舗別の月次売上報告のサンプル(架空)の店舗別の前年比のページ。既存店23店の売上前年比を高い順に横棒で並べ、八尾店112.4%から西宮北口店101.3%までの15店を赤、千里中央店98.8%から高槻店93.5%までの8店を黒で示している。右に、上位の店舗は駅前の再開発で客数が増えていること、下位の高槻店は近隣に競合が開店し11月にSVが臨店することを書いている

6ページ目は、全店の前年差を4つに分けたページです。全店の+981万円のうち、新店の上乗せが1,136万円あり、既存店だけでは+288万円(客数+175万円、客単価+113万円)です。分け方の式を横に書いておくと、毎月同じ手順で出せます。

店舗別の月次売上報告のサンプル(架空)の前年差の要因のページ。前年10月の12,300万円から、既存店の客数+175万円、既存店の客単価+113万円、新店2店+1,136万円、閉店1店▲443万円を積み上げて、今年10月の13,281万円になる滝グラフ。右に、客数の要因は(今年の客数−前年の客数)×前年の客単価、客単価の要因は(今年の客単価−前年の客単価)×今年の客数で、店舗ごとに計算して合計していると書いている

売上・客数・客単価はどう分けて見せる?

売上は「客数×客単価」に分ける

店舗の売上は、客数と客単価(1人あたりの買い上げ額)のかけ算です。高槻店なら、5,382人×916円=4,929,912円(493.0万円)です。

売上の前年比だけでは、店で何が起きたかがわかりません。テンプレートの記入例(大阪北・中央エリア)から、動き方の違う5店を並べます。

店舗 売上の前年比 客数の前年比 客単価の前年比 読み方
吹田店 110.9% 108.5% 102.2% 客数の伸びが大きい
天王寺店 103.1% 98.2% 105.0% 売上は前年超えだが、客数は減った。客単価で補っている
千里中央店 98.8% 100.7% 98.1% 客数は前年並み。1人あたりの買い上げが減った
枚方店 95.1% 94.4% 100.7% 客単価は前年並み。客数の減少がそのまま売上に出た
高槻店 93.5% 94.9% 98.5% 客数・客単価ともに下がった

天王寺店は、売上だけを見ると前年を上回っています。ただ、客数は前年より97人少なくなっています。客数の減少が続けば、客単価の伸びが止まったところで売上も前年を割ります。

業界の統計でも、売上を客数と客単価に分けて出しています。日本フランチャイズチェーン協会のコンビニエンスストアの月報(2026年9月度)では、既存店の売上高は前年同月比+0.5%でしたが、来店客数は−3.8%、平均客単価は+4.4%でした(JFAコンビニエンスストア統計調査月報 2026年9月度)。売上はほぼ横ばいでも、客数と客単価は逆の向きに動いています。

前年差は、金額でも客数と客単価に分けられます。サンプルの6ページ目と同じ式で、高槻店の前年差を分けると次のとおりです。

  • 客数の要因=(今年の客数−前年の客数)×前年の客単価=(5,382人−5,672人)×930円=−269,700円
  • 客単価の要因=(今年の客単価−前年の客単価)×今年の客数=(916円−930円)×5,382人=−75,348円
  • 合計は−345,048円(−34.5万円)で、前年の527.5万円から今年の493.0万円への差と一致します

高槻店は、減った分の8割近くが客数によるものです。コメントでは、客数が減った理由を書くことになります。

既存店と全店を分ける

全店は、その月に営業していたすべての店舗です。既存店は、今年の同じ月と前年の同じ月の両方で営業していた店舗です。日本フランチャイズチェーン協会の統計も、既存店を「調査月において、当月と前年同月でともに営業中の店舗」、全店を「調査月における営業中の店舗」として、売上高・来店客数・平均客単価を両方で出しています(JFA:コンビニエンスストア統計データ)。

全店の前年比には、店舗が増えた・減った分が入ります。サンプルの10月は次のとおりです。

店舗 今年10月 前年10月 前年比
全店 今年は25店(既存店23+新店2)、前年は24店(既存店23+閉店1) 13,281万円 12,300万円 108.0%
既存店 23店 12,145万円 11,857万円 102.4%
新店 2店(前年はなし) 1,136万円 — —
閉店 1店(今年はなし) — 443万円 —

全店の+8.0%のうち、今ある店舗の力で伸びたのは既存店の+2.4%の分です。「売上が8%伸びた」とだけ書くと、新店の上乗せを既存店の伸びと読み違えます。全店は会社の規模の動き、既存店は今ある店舗の動きとして、並べて書きます。

既存店の決め方は、会社によって違います。月の途中で開店した店、改装で何日か休んだ店、移転した店をどちらに入れるかを決めて、報告書の注記に書いておきます。

新店と閉店した店舗の入れ方で、同じ月の前年比が変わることを示す図。サンプルの10月は、既存店23店が今年12,145万円・前年11,857万円、新店2店が今年1,136万円・前年なし、閉店1店が今年なし・前年443万円。正しい計算は、既存店が12,145÷11,857で102.4%、全店が既存店と新店の13,281を既存店と閉店の12,300で割って108.0%。誤りの計算は、新店を今年に入れて閉店を前年から外すと13,281÷11,857で112.0%、既存店の前年に閉店を残すと12,145÷12,300で98.7%になる
図1 新店・閉店の入れ方で前年比が変わる(サンプルの数字、架空)

前年比と予算比は役割が違う

前年比 予算比
比べる相手 前年の同じ月の実績 本部と店舗で決めた今月の目標
わかること 季節をそろえたうえでの伸び・落ち込み 計画どおりに進んでいるか
出せない店舗 新店(前年がない) 予算を立てていない店舗
書き方の例(高槻店) 前年比93.5%(−34.5万円) 予算比91.3%(−47.0万円)

テンプレートの記入例の大阪北・中央エリアは、前年比102.7%、予算比100.5%でした。エリアとしては前年も予算も上回っていますが、12店のうち千里中央店・茨木店・高槻店・枚方店の4店は予算に届いていません。記入例の店舗ごとの予算は、前年同月の102%を10万円単位で丸めた架空の数字です。

新店は前年比が出せないので、予算比と、開店した月からの売上・客数の推移で見ます。

エリアの数字は、合計から計算する

エリアや全店の売上と客数は、店舗の数字の合計です。比率と客単価は、その合計から計算し直します。

  • エリアの前年比=エリアの売上の合計÷前年の売上の合計=6,522.5万円÷6,349.3万円=102.7%
  • エリアの客単価=エリアの売上の合計÷客数の合計=6,522.5万円÷63,786人=1,023円

店舗の比率を平均すると、この数字と合いません。次の節で、どれだけずれるかを計算します。

よくある見せ方の誤りは?テンプレートの数字で計算すると

売上報告書のテンプレートの記入例(大阪北・中央エリア12店)と、サンプルの全店の数字で、よくある誤りを計算しました。

誤り この例で出る数字 正しい出し方 正しい数字
エリアの前年比を、店舗の前年比の平均で出す 102.9% 売上の合計÷前年の売上の合計 102.7%
エリアの客単価を、店舗の客単価の平均で出す 1,022円 売上の合計÷客数の合計 1,023円
前年比の列を、ピボットテーブルの値にそのまま入れる 1,234.9%(12店の前年比の合計) 売上と前年の売上を合計してから割る 102.7%
新店を今年に入れ、閉店した店舗を前年から外す 112.0%(13,281÷11,857) 全店は、閉店した店舗の前年の売上も入れる 108.0%
既存店の前年に、閉店した店舗の売上を残す 98.7%(12,145÷12,300) 既存店は、今年も前年も営業していた店舗だけで計算する 102.4%
全店の伸びを、そのまま「売上が伸びた」と書く 「売上は8.0%増」 全店と既存店を並べて書く 全店+8.0%、既存店+2.4%

上の2つは、この例では差が小さく出ています。12店の売上の規模が近いからです。売上が大きく違う店舗が混ざるほど、平均と合計から出した数字の差は開きます。

3つ目は、Excel のピボットテーブルで起きやすい誤りです。値の欄に置いた数値は、既定では合計で集計されます(Microsoft サポート:ピボットテーブルを作成してワークシート データを分析する)。集計方法を平均に変えても、1つ目と同じ単純な平均になります。比率は、合計の列から計算します。

4つ目と5つ目は、同じ月・同じ店舗の数字なのに、店舗の入れ方だけで前年比が98.7%から112.0%まで変わる例です(図1)。店舗の一覧に新店と閉店した店舗の行も残し、全店と既存店のどちらの計に入るかを列で示しておくと、取り違えが減ります。

ほかに、税込と税抜の混在、客数の数え方の違いも、全店と前年でそろえておきます。

店舗ごとのコメントはどう書く?悪い例と良い例

店舗コメントは、次の4つの部品を、この順で1店2〜3文に収めます。

  1. 結果の数字:前年比と前年差。予算を立てているなら予算比も
  2. 客数か客単価か:どちらが動いたか
  3. 理由:事実で書く。わからなければ「確認中」と書く
  4. 本部の対応:誰が・いつ・何をするか
店舗コメントの4つの部品と、高槻店の例を示す図。1 結果の数字は、前年比93.5%(−34.5万円)で2か月続けて前年割れ。2 客数か客単価かは、客数94.9%(−290人)で、前年差のうち−27.0万円が客数の分。3 理由は、近隣に競合店が開店。4 本部の対応は、11月中旬にSVが臨店し、焼成計画を見直す。理由が不明なら「確認中」と書く。書かないことは、「頑張ります」「引き続き注視」で終える文、根拠のない推測(「天候の影響と思われます」)、店を責める言い方
図2 店舗コメントの4つの部品(テンプレートの記入例の数字、架空)

テンプレートの記入例の6店で、悪い例と良い例を並べます。理由は、記入例のコメント欄とサンプルの本部所見に書いてあるものだけを使い、書いていない店舗は「確認中」としています。

店舗 悪い例 良い例
高槻店 前年を下回りました。引き続き頑張ります。 前年比93.5%(−34.5万円)で、2か月続けて前年を下回りました。客数が94.9%(−290人)に減り、前年差のうち−27.0万円が客数の分です。近隣に競合店が開店しました。11月中旬にSVが臨店し、焼成計画を見直します。
茨木店 客単価が下がっています。 前年比93.6%(−40.9万円)で、2か月続けて前年を下回りました。客数96.4%、客単価97.1%の両方が下がっています。夕方の品切れが目立つため、11月中旬にSVが臨店します。
枚方店 客数が減少。天候の影響と思われます。 前年比95.1%(−26.1万円)です。客単価は100.7%で前年並みで、客数が94.4%(−282人)に減りました。理由は店長に確認中で、次の報告で書きます。
千里中央店 ほぼ前年並み。 前年比98.8%(−5.4万円)、予算比96.1%です。客数は100.7%と前年並みで、客単価が98.1%(−18円)に下がりました。理由は確認中です。
天王寺店 好調です。 前年比103.1%(+16.8万円)です。客数は98.2%(−97人)と前年を下回りましたが、焼き菓子のセット販売で客単価が105.0%に上がり、補いました。
吹田店 売上が大きく伸びました。 前年比110.9%(+54.3万円)で、エリアで最も高い伸びです。客数が108.5%(+431人)に増えました。駅前の再開発で客数が増えています。

悪い例に足りないのは、比べる相手と数字、客数か客単価か、本部の対応です。「頑張ります」「引き続き注視します」で終わる文では、読んだ加盟店オーナーが次に何をすればいいかがわかりません。根拠のない「天候の影響と思われます」も、確かめるまでは書かずに「確認中」とします。

加盟店に出すコメントは、店を責める言い方を避けます。数字の事実と、本部が手伝うこと(臨店、販促、人員計画の相談など)を書きます。

コメントを書く店舗を絞る

店舗が多いと、全店にコメントを書く時間がとれません。前年比が大きく動いた店舗だけに書きます。サンプルの5ページ目の色分けと同じ「前年比105%以上か、97%未満」を基準にすると、大阪北・中央エリアの12店では8店(105%以上が梅田・天満・豊中・吹田・京橋の5店、97%未満が茨木・高槻・枚方の3店)になります。千里中央店のように、基準には入らなくても予算に届かなかった店舗は、一言書き足します。

科目ごとの例文や、しきい値の決め方は「予実差異のコメントの書き方と例文」にまとめています。

毎月どう作る?POS・会計の取り込みから配るまで

毎月の作業は、次の6つの手順に分けられます。2の取り込みと3の集計は、仕組みを作れば自動にできます。1・4・5・6は人の作業として残り、とくに5の所見は数字を見た人が書きます。

店舗別の月次報告書を毎月作る6つの手順の図。1 データを集める(人):POSの店舗別日報のCSV、会計の月次の売上、開店日と閉店日を書いた店舗マスタを決まったフォルダに入れる。2 1つの表にする(自動にできる):Power Queryでフォルダーから取り込む。3 集計する(自動にできる):店舗別・エリア別、既存店と全店の計。比率と客単価は合計から計算する。4 突き合わせる(人):POSと会計の売上、営業店舗の数、前月の報告書との差を見る。5 所見を書く(人):SVや店長に理由を聞き、日報のメモを見る。6 配る(人):経営会議には全店分、加盟店には全店の概況と自店のページをPDFで
図3 毎月の作り方の6つの手順

1. 締めのあと、データを集める

集めるのは、POS の店舗別の日報(CSV)、会計の月次の売上、店舗マスタの3つです。店舗マスタには、店舗名、エリア、開店日、閉店日を書きます。開店日と閉店日があれば、その月にどの店舗が既存店に入るかを式で決められます。

2. 取り込んで1つの表にする

毎月の CSV を1つずつ開いて貼り付けると、店舗の行や桁を取り違えやすくなります。Excel なら、Power Query の[データ]→[データの取得]→[ファイルから]→[フォルダーから]で、専用のフォルダに入れた CSV を1つの表にまとめられます。ファイルどうしで列の見出し・データの型・列の数をそろえておくのが条件です(Microsoft サポート:複数のファイルを含むフォルダーからデータをインポートする (Power Query))。

3. 店舗別・エリア別・既存店と全店で集計する

売上と客数は合計し、比率と客単価は合計から計算します。既存店の計と全店の計は、別の行で出します。

4. 数字を突き合わせる

POS の全店の合計と会計の売上、営業店舗の数(既存店+新店)、前月の報告書の数字を見比べます。POS と会計の売上は、税の扱いや計上する日の違いでずれることがあります。差があれば理由を確かめ、注記に書いておきます。

5. 店舗ごとの所見を書く

前年比が大きく動いた店舗について、SV や店長に理由を聞きます。日報のメモ(「17時に食パンが品切れ」のような記録)があると、理由の手がかりになります。テンプレートの日別のシートには、こうしたメモの欄があります。

6. 本部用と加盟店用に分けて配る

経営会議には全店分を、加盟店には全店の概況と自店のページを、PDF にして配ります。過去の月は PDF を正本として残しておくと、あとで数字を直したときに食い違いを追えます。

Excel の中で取り込みから PDF までをつなぐ手順は「Excelで月次報告書を自動作成する手順」に、スプレッドシートの表から店舗ごとのページを作る方法は「Looker Studioの使い方」にまとめています。

毎月の作成を楽にするには?テンプレート・自動化・作成を任せる

方法 向いている場合 残る手間
テンプレートに写す 店舗が数店まで POS の数字の転記、計算の確認、コメント
Excel・Looker Studio で自動化する 全店が同じ POS で、本部に仕組みを作って直せる人がいる 仕組みの保守、所見、数字の確認
作成を任せる 店舗が多い。加盟店に出す書式は今のままにしたい CSV を送る、所見の確認

店舗が数店のうちは、売上報告書のテンプレート(Excel)に写すのがいちばん早い方法です。予算比・前年比・客単価と計の行は数式で出ます。

おまかせレポートでは、POS の CSV を共有ドライブに入れるか、送っていただくだけで、店舗別の月次報告を御社の書式のまま作ります。数字は人が元データと突き合わせて確かめます。店舗ごとの所見は下書きとしてお出しし、御社で確かめてから、御社の名前で加盟店や経営会議に出していただきます。

料金は、初期費用0円、基本料金が月額3万円(税別、5件まで)で、6件目から1件月5,000円です。たとえば25店舗の店舗別の報告を1店1件として作る場合、3万円+20件×5,000円で月13万円(税別)です。最低契約期間は6ヶ月です。FC本部・多店舗の会社向けの内容は店舗別の月次報告書の作成代行にまとめています。

今お使いの報告書を1回分お預かりして、同じ型で作る無料のお試しも受け付けています。

よくある質問

Q.既存店には、開店から何か月たった店舗を入れればいいですか?

会社ごとに決めます。日本フランチャイズチェーン協会のコンビニの統計では、当月と前年同月の両方で営業していた店舗を既存店としています。月の途中で開店した店や、改装で休んだ月がある店の扱いも決め、報告書の注記に書いておきます。

Q.加盟店に、ほかの店舗の数字を見せてもいいですか?

どこまで見せるかは本部の方針で決めます。店名を出した順位表のほか、エリアの計や全店の計と自店だけを並べる出し方もあります。一度決めたら毎月同じ形にして、加盟店によって見える範囲が変わらないようにします。

Q.新店は前年の数字がありません。どう報告しますか?

前年比は空欄にして、既存店の集計から外します。新店は予算比と、開店した月からの売上・客数の推移で見ます。全店の前年差の要因では「新店」として分けて示します(サンプルの6ページ目)。

Q.客数は何を数えればいいですか?

何を1人と数えるか(会計の回数など)を決めて、全店でそろえます。POSの設定で数え方が違う店舗があると、客数と客単価の前年比が実態とずれます。前年の数字も同じ数え方か確かめます。

Q.店舗が多く、全店のコメントを書く時間がありません。

前年比が大きく動いた店舗だけに書きます。前年比105%以上か97%未満を基準にすると、サンプルの大阪北・中央エリアでは12店のうち8店です。予算に届かなかった店舗や、2か月続けて前年を下回った店舗は短く書き足します。

桒谷 一成

inovie株式会社 代表取締役。AIによる業務代行(BPO)と、AIエージェントの開発をしています。自社の月次報告書・サービス資料・見積書もAIで自動作成しています。