この記事のポイント
- 臨店報告書は、SVやエリアマネージャーが店舗を訪問して確かめた結果と、店長と決めた改善の約束を残す報告書です。基本情報、数字の確認、前回の約束の確認、チェック表、指摘と改善の約束で作ります
- チェック項目は、QSC(品質・接客・清潔さ)に、売場と販促物、在庫と発注、人の配置、数字と帳票を加えた全店共通の表にし、訪問の目的に合わせて重点を1〜2点に絞ります
- 指摘は「事実→基準→改善の約束→期限→次回の確認」の順に書きます。時刻と数を入れ、誰が・いつから・何をするかを店長と決めてから書きます
- 次の臨店は、前回の約束を確かめるところから始めます。約束を全店で1つの一覧にしておくと、月次の報告書で臨店した店舗の進み具合を示せます
- 写真は指摘1件につき引きと寄りの2枚を、前回と同じ位置から撮ります。営業中の売場では、お客様とスタッフの顔が写らないようにします
臨店報告書とは、FC本部や多店舗チェーンのスーパーバイザー(SV)やエリアマネージャーが店舗を訪問(臨店)し、売場・接客・衛生・数字などを確かめた結果と、店長と決めた改善の約束を記録する報告書です。本部の上長と店舗の両方に渡し、次の臨店で約束が守られたかを確かめる材料にします。
作るときは、基本情報、数字の確認、前回の約束の確認、チェック表、指摘と改善の約束を、毎回同じ順に並べます。いちばん差が出るのは指摘の書き方です。「事実→基準→改善の約束→期限→次回の確認」の順に書くと、店舗が何をすればいいかが伝わります。
この記事では、臨店で見る項目のチェック表、1回分の記入例、指摘の悪い例と良い例、写真の撮り方、次回の確認までを、架空のベーカリーのFC本部「株式会社こむぎ日和」の高槻店を例に説明します。
会社名・店舗名・人名・日付・数字はすべて架空です。数字は店舗別の月次売上報告のサンプルと同じものを使っています。衛生と安全にかかわる公的な資料は、厚生労働省と消費者庁のページで確かめた範囲だけを書いています(2026年11月3日時点)。何をどこまで確かめるかは、本部と店舗(加盟店)とで決めた基準に合わせてください。
臨店報告書とは?店舗別の月次報告・日報との違い
臨店(りんてん)は、本部の担当者が店舗に出向いて運営の状態を確かめ、店長と一緒に改善を進める仕事です。銀行などで使われる「臨店検査」とは別のものです。
店舗にかかわる報告書には、臨店報告書のほかに、本部が毎月作る店舗別の月次報告と、店舗が毎日つける日報があります。役割の違いを表にします。
| 臨店報告書 | 店舗別の月次報告 | 店舗の日報 | |
|---|---|---|---|
| 書く人 | 臨店したSV・エリアマネージャー | 本部(営業企画・数値管理の担当) | 店長・店舗のスタッフ |
| いつ | 臨店のたび(当日か翌日) | 月に1回(締めのあと) | 毎日 |
| 書くこと | 現場で見た事実、指摘、改善の約束と期限 | 店舗ごとの売上・客数・客単価と前年比、増減の要因 | 日ごとの売上・客数、天気、品切れなどのメモ |
| 読む人 | 本部の上長、店長・加盟店オーナー | 経営会議、加盟店オーナー | 店長、SV |
| わかること | 数字の裏で、店で何が起きているか | どの店舗の数字が動いたか | どの日に何があったか |
3つはつながっています。月次の報告で数字が落ちた店舗を見つけ、日報のメモで手がかりを探し、臨店で原因を確かめて改善を決めます。決めた改善の進み具合は、翌月の月次の報告に書きます。月次の報告書の数字の並べ方は「店舗別の月次報告書の作り方」にまとめています。
5W1Hで抜けを確かめる、事実と意見を書き分ける、といった報告書全般の基本は「報告書の書き方」で説明しています。この記事では、臨店に固有のところを書きます。
臨店報告書に書く項目は?
| 項目 | 書くこと | 書くときのポイント |
|---|---|---|
| 基本情報 | 店舗名、臨店日と時間帯、臨店者、対応した店長、前回の臨店日 | 時間帯を書く。昼と夕方では売場の状態が違う |
| 臨店の目的 | 今回の重点(例:夕方の品切れの原因を確かめる) | 月次の数字と前回の約束から、1〜2点に絞る |
| 数字の確認 | 前月の売上・客数・客単価と前年比、本部が見ている指標 | 月次の報告書と同じ数字を写す。報告書ごとに計算し直さない |
| 前回の約束の確認 | 前回決めた改善が、期限までにできたか | できた・一部できた・できていないを、確かめた方法と一緒に書く |
| チェック表 | 区分ごとの項目と、結果(良い・指摘) | 全店共通の項目にする。指摘には番号を振る |
| 指摘と改善の約束 | 事実、基準、改善の約束(誰が・何を)、期限、次回の確認 | 店長と決めてから書く。3件ほどに絞る |
| 良かった点 | 続けてほしいこと | 事実で書く。ほかの店舗に広げたい工夫は本部に共有する |
| 写真 | 指摘と良かった点の写真 | 指摘と同じ番号を振る |
| 店長の確認 | 店長の名前と確認した日 | 指摘と約束を読み合わせた記録になる |
「前回の約束の確認」は、チェック表より前に置きます。臨店のたびに新しい指摘だけを書いていると、前回の約束がどうなったかが報告書に残らず、同じ指摘がくり返されます。
臨店で何を見る?QSCと売場・人・数字のチェック表
臨店で見る項目は、QSCを軸にするのが一般的です。QSCは Quality(品質)、Service(接客)、Cleanliness(清潔さ)の頭文字で、飲食店や小売店の運営を見るときに広く使われる言葉です。臨店報告書では、これに売場と販促物、在庫と発注、人の配置、数字と帳票を足すと、店の状態をひととおり押さえられます。
下の表は、業態を問わず使える15項目の例です。全店共通の表にしておき、業態や店舗の事情で必要な項目を足して使ってください。
| 区分 | 項目 | 見ること |
|---|---|---|
| 品質(Q) | 商品の状態 | 見た目、鮮度、作り方。決めた基準どおりに作られ、並んでいるか |
| 品質(Q) | 期限と温度の管理 | 期限の切れた商品がないか。冷蔵・冷凍の温度が決めたとおりに記録されているか |
| 接客(S) | あいさつ・声かけ | 入店時のあいさつ、おすすめや予約の案内を、決めたとおりにしているか |
| 接客(S) | レジ・待ち時間 | 混む時間にレジが詰まっていないか。会計の手順がそろっているか |
| 接客(S) | 身だしなみ | 制服、名札、髪。食品を扱う店では手洗いと手指の状態も |
| 清潔さ(C) | 売場・客席 | 床、棚、トレーやカゴ、テーブル、トイレ |
| 清潔さ(C) | 作業場・バックヤード | 作業台と器具、ごみの置き場、通路に物が出ていないか |
| 清潔さ(C) | 安全 | 床の濡れ、マットのめくれ、段差。お客様とスタッフがつまずかないか |
| 売場・販促物 | 本部の販促 | 新商品やキャンペーンのPOP・ポスターが、決めた場所と期間で出ているか |
| 売場・販促物 | 価格・表示 | 値札と商品が合っているか。終わった販促の掲示が残っていないか |
| 在庫・発注 | 品切れ・作りすぎ | 時間帯ごとの品切れと、廃棄の量。発注や製造の計画と合っているか |
| 人の配置 | シフト | 混む時間に人が足りているか。教育中のスタッフだけの時間がないか |
| 人の配置 | 教育 | 新人の教育の進み具合、マニュアルを置く場所 |
| 数字・帳票 | 日報・記録 | 日報のメモ、清掃の記録が毎日つけられているか |
| 数字・帳票 | 目標の共有 | 店長とスタッフが、今月の目標と進み具合を知っているか |
食品を扱う店は、衛生の記録を見る
食品を扱う店では、衛生の項目を厚めにします。厚生労働省によると、2021年(令和3年)6月1日から、原則としてすべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組むことになりました。営業者がすることとして、衛生管理計画を作って従業員に周知すること、実施した状況を記録して保存すること、計画を定期的に振り返って見直すことなどを挙げています(厚生労働省「HACCP(ハサップ)」)。
臨店では、店で決めた衛生管理の計画どおりに記録がつけられているかを見ます。対象にならない営業もあり、業界団体が作った業種別の手引書もあるため、店舗ごとに何を見るかは本部の衛生の担当者と決めてください。
安全とアレルギーの掲示も項目に入れる
厚生労働省などがまとめた「飲食店の労働災害防止マニュアル」は、平成26年の労働者死傷病報告をもとに、飲食店の労働災害でいちばん多いのは転倒で、次に多い「切れ・こすれ」と合わせて52%を占めると示しています(厚生労働省ほか「飲食店の労働災害防止マニュアル」)。床の濡れやマットのめくれは、お客様だけでなくスタッフのけがにもつながるので、清潔さの区分で毎回見ます。
アレルギーの掲示をしている店では、新商品や季節の商品に入れ替えたときに、掲示も一緒に直っているかを見ます。食物アレルギーの表示についての国の情報は、消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」にまとまっています。店頭の表示や掲示に何が求められるかは売り方や商品によって違うため、本部の品質管理の担当者に確かめてください。
毎回すべてを深く見るのではなく、重点を決める
チェック表は毎回すべての項目をつけますが、時間をかけて見るのは臨店の目的に合う1〜2点です。月次の報告書で客数が落ちていれば接客と品切れ、廃棄率が上がっていれば発注と製造の計画、というように、数字から重点を決めます。重点を報告書の最初に書いておくと、読む人にも何を確かめに行ったのかがわかります。
記入例:高槻店の臨店(11月13日)
店舗別の月次売上報告のサンプルの高槻店を例にします。サンプルの最後のページ「本部所見と来月の重点」には、前年割れが2か月続いている高槻店・茨木店に、11月中旬にSVが臨店して焼成計画を見直すと書いてあります。その臨店の報告書を想定した記入例です。

基本情報と臨店の目的
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 店舗 | 高槻店(大阪北・中央エリア) |
| 臨店日・時間 | 2026年11月13日(金)15:00〜18:00 |
| 臨店者 | エリアSV 森 |
| 対応した店長 | 中川店長 |
| 前回の臨店 | 2026年10月2日(金) |
| 臨店の目的 | 夕方の品切れの原因を確かめ、焼成計画を店長と見直す。11月の販促(新商品・クリスマスケーキの予約)の売場を確かめる |
数字の確認(10月)
| 指標 | 10月 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上 | 493.0万円 | 93.5%(2か月続けて前年割れ) |
| 客数 | 5,382人 | 94.9% |
| 客単価 | 916円 | 98.5% |
| 廃棄率 | 6.9% | - |
| 人件費率 | 30.6% | - |
売上の落ち込みは、客単価より客数のほうが大きく出ています。月次の報告書では、近隣に競合店が開店した影響とみています。もう1つの手がかりが日報です。10月の売上日報のメモには夕方の品切れが5回あり、そのうち食パンの4回は、すべて金曜日の17時台でした。そこで、今回は金曜日の夕方に臨店しています。
数字は月次の報告書から写し、日報のメモは売上報告書のテンプレートの記入例(高槻店の10月の日別シート)と同じものです。
前回の約束の確認
| 前回(10月2日)の約束 | 期限 | 結果 |
|---|---|---|
| レジで、焼き菓子のセットを全員が案内する | 10月中 | できた。15時〜18時に、レジに入った3人とも案内していた |
チェック表の結果
15項目のうち、良いが11、指摘が4でした。
| 区分 | 結果 | 指摘 |
|---|---|---|
| 品質(Q) | 2項目のうち指摘1 | No.2 冷蔵ショーケースの温度の記録 |
| 接客(S) | 3項目とも良い | - |
| 清潔さ(C) | 3項目のうち指摘1 | No.4 入口のマットのめくれ |
| 売場・販促物 | 2項目のうち指摘1 | No.3 クリスマスケーキの予約のポスター |
| 在庫・発注 | 1項目で指摘1 | No.1 金曜日の夕方の食パンの品切れ |
| 人の配置 | 2項目とも良い | - |
| 数字・帳票 | 2項目とも良い | - |
指摘と改善の約束
No.1 金曜日の夕方の食パンの品切れ(在庫・発注) 事実:11月13日(金)17時10分に、食パン3種のうち2種が売り切れていました(写真1)。10月の日報でも、食パンの品切れは4回あり、すべて金曜日の17時台です。金曜日は、焼成の担当が15時に上がるシフトでした。 基準:主力の食パンは、閉店の1時間前(19時)まで棚に残す(本部の売場基準)。 改善の約束:金曜日だけ食パンの焼成を1回増やし、16時に3回目を焼く。焼成の担当のシフトを、金曜日は17時までにする(中川店長)。 期限:11月20日(金)から。 次回の確認:12月の臨店で、11月20日以降の金曜日の日報の品切れのメモと、廃棄の量を一緒に確かめる。
No.2 冷蔵ショーケースの温度の記録(品質) 事実:冷蔵ショーケースの温度の記録表が、11月10日〜12日の3日分、空欄でした(写真2)。臨店したときの温度は、店の基準の範囲内でした。 基準:店の衛生管理の計画では、開店時と15時の1日2回記録する。 改善の約束:記録の担当を、その日の朝番のリーダーにする。閉店時に店長が記録表を見て、空欄があればその日のうちに担当に確かめる(中川店長)。 期限:11月14日(土)から。 次回の確認:12月の臨店で、11月14日以降の記録表を見る。
No.3 クリスマスケーキの予約のポスター(売場・販促物) 事実:11月10日に受付を始めたクリスマスケーキの予約のポスターが、バックヤードに置かれたままで、売場に出ていませんでした(写真3)。店長に聞くと、届いた販促物を掲示する担当が決まっていませんでした。 基準:本部の販促の予定では、11月10日から入口とレジ横に掲示する。 改善の約束:臨店中に、店長と入口・レジ横に掲示しました(対応済み)。今後は、販促物を受け取った日の遅番のリーダーが掲示する。予約の案内をレジの声かけに加える(中川店長)。 期限:掲示は対応済み。声かけは11月14日(土)から。 次回の確認:12月の臨店で、高槻店の予約の数を本部の集計で確かめる。
No.4 入口のマットのめくれ(清潔さ・安全) 事実:入口の雨用マットの角が、約5cmめくれていました(写真4)。お客様がつまずくおそれがあります。 基準:売場の床とマットに、つまずく段差やめくれがない。 改善の約束:その場で角をテープで留めました。マットの交換は本部で手配します(森)。 期限:11月20日(金)まで。 次回の確認:交換したら、店長から写真で知らせてもらう。12月の臨店で状態を見る。
良かった点と店長の確認
良かった点 ・前回の約束どおり、レジに入った3人とも焼き菓子のセットを案内していました。 ・品切れのあった日は、時刻と商品が日報のメモに残っていました。今回の焼成計画の見直しは、このメモから始められました。メモの書き方は、エリアのほかの店舗にも共有します。
店長の確認:中川(2026年11月13日、指摘と約束を読み合わせて確認) 次回の臨店:2026年12月11日(金)の夕方(予定)

この記入例では、4件の指摘のうち2件(No.3・No.4)は臨店中にその場で手を打ち、残りの2件は店長が期限つきで約束しています。その場で直せることは直し、直したことも報告書に残しておくと、店舗の負担を増やさずに済みます。
指摘はどう書く?「事実→基準→改善の約束→期限→次回の確認」
臨店報告書の指摘でよくあるのは、「品切れ多し。要改善。」のように、店舗が何をすればいいのかわからない書き方です。指摘は次の5つを順に書きます。
- 事実:見たことを、場所・時刻・数で書く。「多い」「汚い」ではなく「17時10分に、食パン3種のうち2種が売り切れ」
- 基準:何と比べて指摘なのか。本部のマニュアル、売場の基準、衛生管理の計画など、店舗も知っている決まりを書く
- 改善の約束:誰が、何をするか。店長と話して決めた内容を書く。SVや本部がすることも書く
- 期限:いつから、いつまでに。日付で書く
- 次回の確認:次の臨店で、何を見て確かめるか。日報や記録表など、確かめる材料も書く
基準を書くのは、指摘がSV個人の好みではなく、本部と店舗で決めた決まりにもとづくことを示すためです。書こうとして基準がないことに気づいたら、それは店舗ではなく本部の宿題として報告書に書きます。

悪い例と良い例
| 悪い例 | 足りないもの | 良い例 |
|---|---|---|
| 夕方の品切れ多し。要改善。 | いつ・何が・何回か。何をすればいいか | 11月13日(金)17時10分、食パン3種のうち2種が品切れ。10月の日報でも金曜の17時台に4回。金曜だけ16時に3回目を焼く(店長、11月20日から)。12月の臨店で日報と廃棄の量を確かめる |
| 温度の記録を徹底すること。 | どの記録が何日分抜けたか。誰が直すか | 冷蔵ショーケースの温度の記録が11月10日〜12日の3日分空欄。記録の担当を朝番のリーダーにし、閉店時に店長が確かめる(11月14日から)。12月の臨店で記録表を見る |
| スタッフの意識が低い。 | 人を評価していて、事実と直し方がない | クリスマスケーキの予約のポスターが、受付を始めて3日たっても売場に出ていなかった。掲示する担当が決まっていなかったため、販促物を受け取った日の遅番のリーダーが掲示すると決めた |
| 清掃がいまひとつ。 | どこが基準に届かないのか | 入口の雨用マットの角が約5cmめくれていた。その場でテープで留め、交換を本部で手配(11月20日まで) |
店舗に伝わる書き方のコツ
- 人ではなく、仕組みを書く:「意識が低い」と書いても、店舗は何も直せません。担当、手順、時刻のどこが決まっていないかを書きます
- 時刻と数を入れる:「多い」「少ない」は、読む人によって受け取り方が変わります
- 約束は店長と決めてから書く:SVが一人で決めた改善は、店舗でやる理由が伝わりません。臨店の最後に、指摘と約束を店長と読み合わせます
- 良かった点も事実で書く:「よく頑張っていた」より「品切れの時刻が日報に残っていた」のほうが、続けてほしいことが伝わります
- 約束は3件ほどに絞る:お客様とスタッフの安全、衛生にかかわるものを先にし、残りは次回の重点に回します
区分ごとの例文
記入例とは別の、区分ごとの例文です(店舗・時刻・数は架空)。
- 品質:「サンドイッチの冷蔵ケースに、消費期限が当日12時の商品が13時の時点で2個残っていました。期限の確認を11時と14時の2回にし、確かめた人がチェック表に名前を書きます(店長、11月16日から)。」
- 接客:「12時から12時30分のあいだ、レジの待ちが最大6人になり、2台目のレジを開けたのは12時20分でした。昼のピークは11時50分に2台目を開けると決めました。次回は昼の時間帯に臨店して確かめます。」
- 清潔さ:「客席の8テーブルのうち3テーブルに、前のお客様のトレーが10分以上残っていました。客席を見回る間隔を15分にし、担当をシフト表に書きます(店長、来週から)。」
- 売場・販促物:「10月末で終わった秋のキャンペーンのPOPが、売場の3か所に残っていました。その場で外しました。キャンペーンの終了日に、遅番のリーダーが売場を1周して外すことにしました。」
- 人の配置:「土曜日の14時〜17時に、教育中のスタッフ2人だけで売場を回している時間がありました。12月のシフトから、この時間にリーダーを1人入れます(店長)。」
- 数字・帳票:「店長は今月の売上目標を知っていましたが、スタッフ3人に聞くと、知っていたのは1人でした。朝礼で、前日までの売上の累計と目標を伝えることにしました。」
臨店の写真はどう撮る?
写真の考え方は、建物の巡回報告書と同じです。指摘1件につき、場所がわかる引きと、状態がわかる寄りの2枚を撮り、前回と同じ位置・同じ向きから撮ると変化が伝わります。撮り方の良い例と悪い例は「巡回報告書の書き方」の写真の節にまとめています。
店舗ならではの注意は次の3つです。
- お客様とスタッフの顔を写さない:売場は営業中なので、人が写らない角度や時間を選んで撮ります。写ってしまった写真は報告書に使わないか、顔を隠してから使います
- 時刻がわかるようにする:品切れやレジの待ちの写真は、時刻で意味が変わります。写真の下に撮った時刻を書きます
- 良かった点も撮る:売場づくりの工夫は、写真があるとほかの店舗に共有しやすくなります
臨店のあと、次回の確認と月次の報告にどうつなげる?
臨店報告書は、出して終わりではありません。約束が期限どおりに進んだかを確かめ、次の臨店につなげて、はじめて改善が回ります。報告書は時刻や数を覚えているうちに清書して送り、店長と読み合わせた内容は変えません。期限が次の臨店より前の約束は、写真や日報で店長から知らせてもらいます。

記入例の4件を約束の一覧にすると、次のようになります。
| 店舗 | No. | 約束 | 担当 | 期限 | 状態(11月13日時点) |
|---|---|---|---|---|---|
| 高槻店 | 1 | 金曜日だけ16時に食パンの3回目を焼く | 中川店長 | 11月20日から | これから |
| 高槻店 | 2 | 温度の記録の担当を朝番のリーダーにする | 中川店長 | 11月14日から | これから |
| 高槻店 | 3 | 販促物は受け取った日の遅番のリーダーが掲示する | 中川店長 | 11月14日から | 予約のポスターは掲示済み |
| 高槻店 | 4 | 入口のマットを交換する | 森(本部) | 11月20日まで | 手配中 |
この一覧が全店分そろっていると、月次の報告書に「臨店した店舗の約束の進み具合」を1ページで載せられます。サンプルの本部所見にある「SV臨店(焼成計画の見直し)」の結果も、翌月の報告書ではこの一覧から書けます。チェック表の項目が全店でそろっていれば、どの区分で指摘が多いかを、エリアごと・全店で集計することもできます。
臨店報告書でよくある失敗は?
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| SVごとに書式と項目が違う | 店舗どうし・エリアどうしで比べられない。集計できない | 全店共通のチェック表を決め、業態の分だけ足す |
| 指摘だけで、良かった点がない | 店舗が臨店を「あら探し」と受け止める | 良かった点を事実で1〜2件書く |
| 改善の約束に期限がない | 次の臨店で、できたかどうかを判断できない | 日付で書く。「早めに」と書かない |
| 前回の約束を確かめない | 同じ指摘が毎回くり返される | 報告書の最初のほうに「前回の約束の確認」の欄を置く |
| 清書が数日後になる | 時刻や数があいまいになる | 当日か翌日に送る。現場ではメモと写真を残す |
臨店報告書の作成とまとめを楽にするには?
楽にする方法は3つあります。どれを選んでも、店舗でチェック表をつけ、写真を撮り、店長と約束を決める作業は残ります。違いは、臨店のあとの清書と、全店の集計です。
| 紙・Excelのチェック表 | 臨店のアプリ・システム | 清書とまとめを任せる | |
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 店舗とSVが少ない。項目を自社で決めたい | SVが多く、その場で写真つきで送りたい | 今の書式のまま、清書と全店の集計を外に出したい |
| 店舗での作業 | チェック表の記入、写真 | アプリへの入力、写真 | チェック表の記入(紙を撮った写真でも可)、写真、メモ |
| 臨店のあとの作業 | 清書、写真の貼り付け、全店の集計 | 内容の確認。項目を変えるときの設定 | 届いた報告書の確認と送付 |
| 気をつけること | SVごとに書き方がずれやすい | 導入の手間と、全員が入力に慣れるまでの時間 | 指摘の文は下書き。SVが確かめて、御社の名前で出す |
おまかせレポートでは、SVのチェック表(紙をスマホで撮った写真でも構いません)と、現場の写真・メモを共有ドライブに入れていただくだけで、御社の書式のまま臨店報告書を清書し、全店の約束の一覧や、区分ごとの指摘の集計を作ります。写真はスマホで撮ったまま、ファイル名はバラバラで構いません。指摘と約束の文は現場のメモから下書きし、SVや本部が確かめてから、御社の名前で店舗に渡していただきます。店舗別の月次報告と合わせて任せる場合の内容と料金の例は、FC本部・多店舗チェーン向けのページに載せています。
今お使いの臨店報告書を1回分お預かりして、同じ型で作る無料のお試しも受け付けています。
よくある質問
Q.臨店報告書は誰が書いて、誰に渡しますか?
臨店したSVやエリアマネージャーが書き、本部の上長と、訪問した店舗の店長(加盟店ならオーナーにも)に渡します。改善の約束と期限は店長と決めた内容なので、本部と店舗が同じ報告書を見られるようにしておきます。
Q.臨店の頻度はどのくらいが目安ですか?
決まった目安はなく、担当する店舗の数と臨店の目的で本部が決めます。全店を同じ回数で回るのではなく、月次の報告書で前年割れが続いている店舗や、前回の約束が残っている店舗を見て、回る順番を決める方法があります。
Q.チェック項目は業態ごとに変えたほうがいいですか?
全店で同じ表を使い、業態や店舗の事情で必要な項目だけを足す形にします。共通の項目がそろっていると、店舗どうしやエリアで結果を比べられます。食品を扱う店なら衛生の記録、イートインのある店なら客席のように、足す項目を決めておきます。
Q.指摘が多すぎて、店舗が受け止めきれないときは?
見たことは報告書にすべて残し、改善の約束は3件ほどに絞ります。お客様とスタッフの安全、衛生にかかわるものを先にし、残りは次回の臨店の重点に回します。約束が多すぎると、次の臨店で確かめきれなくなります。
Q.臨店報告書は紙とアプリのどちらで作ればいいですか?
店舗とSVが少なく、項目を自社で決めたいならExcelや紙のチェック表で足ります。SVが多く、その場で写真をつけて送りたいなら臨店のアプリやシステムが向いています。どちらでも、項目と指摘の書き方をそろえておかないと、全店で集計できません。