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オーナー報告書(管理業務報告書)の作り方:記載項目と記入例

オーナー報告書(管理業務報告書)の作り方:記載項目と記入例

この記事のポイント

  • 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を結んだ日から1年を超えない期間ごとと、契約期間の満了後遅滞なく、管理業務報告書をオーナーに交付して説明します(賃貸住宅管理業法 第20条、施行規則 第40条)
  • 法令で決まっている記載事項は「報告の対象となる期間」「管理業務の実施状況」「入居者からの苦情の発生状況と対応状況」の3つで、決まった様式はありません
  • 毎月のオーナー報告書は法定の報告とは別の任意の報告です。送金額・入居率・家賃の回収を1ページ目に置き、収支の増減の理由と修繕の提案を添えます
  • 送金明細書は「いくら送ったか」を示す書類で、オーナー報告書は「何が起きて、次に何をするか」を伝える書類です
  • 作成を任せる場合も、内容は管理会社が確認し、管理会社の名前でオーナーに出します

オーナー報告書とは、賃貸管理会社が物件のオーナーに、家賃の入金と送金、入居状況、修繕や入居者対応の記録をまとめて伝える報告書です。このうち、賃貸住宅管理業法で作成と交付が求められているものを「管理業務報告書」といいます。法令で決まっているのは記載事項と時期で、様式は各社で作ります。

この記事では、法律で求められる定期報告の中身、毎月のオーナー報告書との違い、記載項目と記入例、送金明細書との違い、オーナーに伝わる書き方を、記入済みのサンプルで説明します。

法令の内容は、e-Gov の条文と国土交通省の資料で確かめたものだけを書いています(2026年11月2日時点)。個別の契約での扱いは、管理受託契約の内容に照らして決めてください。サンプルの会社名・数字はすべて架空です。

法律で求められる定期報告とは?管理業務報告書の項目と時期

>賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)第20条は、賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況などについて、定期的に委託者(オーナー)に報告しなければならないと定めています。報告の時期と中身は、>同法の施行規則第40条で決まっています。

確かめること 条文・国交省の資料の内容
誰が 賃貸住宅管理業者(国土交通大臣の登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者。法第2条第3項)。登録は管理戸数200戸以上の事業者に義務付けられ、200戸未満は任意です(国交省ポータルサイト)
いつ 管理受託契約を結んだ日から1年を超えない期間ごと、および契約期間の満了後遅滞なく(規則第40条第1項)
何を ①報告の対象となる期間、②管理業務の実施状況、③管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況と対応状況(同)
どうやって 記載事項を書いた管理業務報告書を作り、委託者に交付して説明する(同)。委託者の承諾があれば、電子メールなどの電磁的方法で提供できる(規則第40条第2項)
様式 規則に別記様式はなく、記載事項だけが決まっている
報告の時期の図。契約期間2年の管理受託契約の例で、毎月のオーナー報告書は任意で、頻度は契約や各社で決める。法律の定期報告(管理業務報告書)は、1年を超えない期間ごとと、契約期間の満了後遅滞なく、管理業務報告書を交付して説明する。オーナーの承諾があれば電子メールなどの電磁的方法でも提供できる
図1 毎月の報告書と、法律の定期報告(管理業務報告書)の時期(賃貸住宅管理業法 第20条、施行規則 第40条)

国土交通省の>賃貸住宅管理業法ポータルサイト「管理業者の業務」は、この報告を「少なくとも年1回以上の頻度」と説明し、管理業務の実施状況の中身を「家賃等の金銭収受状況、維持保全の実施状況等」としています。

国交省の「解釈・運用の考え方」に書かれていること

国交省の>賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方(第20条関係)には、報告書を作る人に関係する次の点が書かれています。

  • 管理業務の実施状況は、法律の定義の管理業務に限らず、管理受託契約で委託された業務の全てを報告することが望ましい
  • 苦情は、発生した日時、申し出た者の属性、苦情の内容、対応状況などを、把握できる限り記録して報告する。単純な問い合わせは記録・報告の義務はないが、苦情を伴う問い合わせは対応状況も含めて報告する
  • 報告する事項によっては、1年に1回より多く報告することが望ましい
  • 記載事項以外のことも、オーナーの求めに応じて報告することが望ましい
  • 説明の方法は問わないが、オーナーと方法を話し合い、双方向でやりとりできる環境を整えて、内容を理解したことを確かめる

電子メールやPDFで出すときの留意点(承諾を記録に残る方法で得る、出力して書面にでき改変がないか確かめられる形にする、データを保存する)は、国交省の>賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブックにまとまっています。

様式と記載例はある?

管理業務報告書の様式や記載例は、ポータルサイトの「管理業者の業務」「各種書類準備」「制度解説」「よくある質問」のページには見当たりませんでした(2026年11月2日に確認。重要事項説明書と標準契約書の様式はあります)。国交省の>賃貸住宅標準管理受託契約書では、オーナーへの定期報告の内容と頻度を契約書の頭書(8)に書き、それに従って報告する形になっています(第15条)。書式を作る前に、自社の管理受託契約で「何を、どの頻度で報告する」と決めているかを確かめます。

法律の定期報告と、毎月のオーナー報告書は何が違う?

管理会社がオーナーに毎月送っている報告書は、法律の定期報告とは別のものです。違いを表にします。

管理業務報告書(法律の定期報告) 毎月のオーナー報告書
根拠 賃貸住宅管理業法 第20条・規則 第40条 管理受託契約や各社のサービス
時期 1年を超えない期間ごと、契約期間の満了後 送金に合わせて毎月など、各社で決める
必ず書くこと 対象期間、管理業務の実施状況、苦情の発生・対応状況 決まりはない
よく入れること 1年分の家賃等の収受、点検・清掃・修繕、契約の更新・解約 送金額、収支、入居状況、対応・修繕、来月の予定、提案
渡し方 交付して説明する。承諾があれば電磁的方法 郵送、メール、オーナー向けのページなど

毎月の報告書と年1回の管理業務報告書を別々に作ると、同じ記録を2回まとめることになります。毎月の報告書の「対応・修繕の履歴」と「苦情」の欄を、年間の表にそのまま集計できる形にしておくと、年1回の作成が転記と集計で済みます。毎月の報告書で法定の報告を兼ねるかどうかは、契約で決めた報告の内容と頻度に照らして、管理会社で判断してください。

毎月の報告書の欄と管理業務報告書の記載事項の対応の図。表紙の対象月から1 報告の対象となる期間へ、収支報告(家賃等の入金・送金)・対応・修繕の履歴・定期巡回の結果・入居状況(新規・更新・解約)から2 管理業務の実施状況へ、苦情の記録(日時・申し出た人の属性・内容・対応)から3 入居者からの苦情の発生状況と対応状況へ集める
図2 毎月の報告書の欄を、年1回の管理業務報告書の3つの記載事項に集める

オーナー報告書に書く項目は?(法定の項目と、喜ばれる追加項目)

管理業務報告書で必ず書く項目

表紙には、宛先(オーナー名)、物件名と所在地、管理会社名と担当者に加えて、報告の対象となる期間を書きます。本文の欄は、規則第40条の記載事項に合わせて次のように分けます。

記載事項(規則第40条) 報告書の欄 書く内容の例
報告の対象となる期間 表紙 2025年11月1日〜2026年10月31日
管理業務の実施状況 家賃等の収受 毎月の入金額、滞納の件数と督促の状況
〃 送金 送金日と送金額(対象期間の全回)
〃 維持保全 定期清掃・巡回・点検の実施日、修繕の件数と金額
〃 契約の管理(委託している場合) 新規契約・更新・解約の件数、原状回復
入居者からの苦情の発生状況と対応状況 苦情の記録 受付日、申し出た人の属性、内容、対応、状況

「家賃等の収受」と「維持保全」は、ポータルサイトが実施状況の中身として挙げているものです。募集や契約の更新も委託している場合は、解釈・運用の考え方にならって、委託された業務の全てを並べます。

オーナーに喜ばれる追加項目

毎月の報告書には、法定の項目のほかに、オーナーが物件の判断に使う情報を足します。

項目 書く内容 サンプルでの例
今月のまとめ 送金額、入居率、家賃の回収を最初のページに 送金額1,485,888円、入居率95.8%、回収率100%
収支の前月比と理由 増減した項目と、その理由を1文で 更新料66,500円の入金、原状回復88,000円の支払い
入居状況の図 部屋ごとの入居・空室・退去予定 24戸中23戸が入居中、305号室は11月末に退去予定
推移 入居率と送金額の12か月 入居率は95%前後で安定
来月の予定 点検、清掃、退去立会い、募集 11/12 消防設備点検、11/30 305号室の退去立会い
ご提案 内容、費用、見込み、判断の期限 インターネット無料化(1戸あたり月額2,200円・税込)
問い合わせ先 担当者の名前と連絡先 担当の佐藤まで

実物で見る:オーナー月次報告書のサンプル(7ページ)

賃貸管理会社(株式会社みどり住宅管理・架空)が、24戸の賃貸マンションのオーナーに送る10月分の月次報告書の例です。

ページ 見出しの例 役割
1 表紙 月次報告書(2026年10月分) オーナー名、物件名、対象月、管理会社名
2 今月のまとめ 今月の送金額は1,485,888円です 送金額・入居率・家賃の回収を先に伝える
3 収支報告 収入1,714,000円、支出228,112円で、差引の送金額は1,485,888円です 収入と支出の明細と前月比
4 入居状況 24戸中23戸が入居中です 部屋ごとの入居・空室・退去予定
5 推移 入居率は95%前後で安定しています 入居率と送金額の12か月
6 対応・修繕の履歴 今月の対応は5件でした 対応・修繕の一覧と定期巡回の結果
7 来月の予定とご提案 11月は消防設備点検と305号室の退去立会いがあります 来月の予定と、管理会社からの提案

オーナー月次報告書の今月のまとめのページ。送金額1,485,888円(前月差−41,300円)、入居率95.8%(23戸/24戸)、家賃の回収率100%(滞納0件)を3つの枠に並べ、それぞれの下に1〜2行の説明を添えている

収支報告のページ。賃料・共益費・駐車場・更新料の収入計1,714,000円と、管理手数料・定期清掃・修繕費などの支出計228,112円を10月・9月・前月差の列で並べ、差引の送金額1,485,888円を一番下に置いている

対応・修繕の履歴のページ。10月の対応5件を日付・場所・内容・費用・状況の表にし、その下に定期巡回の結果として共用部の清掃、ゴミ置き場、自転車置き場・植栽の確認結果を並べている

全7ページはオーナー報告書のサンプル(賃貸管理の月次報告書)で見られます。このサンプルは毎月の報告書なので、入居者からの連絡は「対応・修繕の履歴」にまとめています。年1回の管理業務報告書にするときは、苦情を別の表に分けて、次の記入例のように並べます。

記入例:収支・苦情・年間の管理業務報告書

収支の記入例

サンプルの収支報告のページを表にしたものです(単位:円、数字は架空)。

項目 10月 9月 前月差
賃料(23戸) 1,483,500 1,483,500 ±0
共益費 92,000 92,000 ±0
駐車場(6台) 72,000 72,000 ±0
更新料(402号室) 66,500 0 +66,500
収入 計 1,714,000 1,647,500 +66,500
管理手数料(賃料・共益費の5%・税込) 86,652 86,652 ±0
定期清掃 33,000 33,000 ±0
修繕費(203号室 原状回復) 88,000 0 +88,000
共用灯のLED交換 19,800 0 +19,800
振込手数料 660 660 ±0
支出 計 228,112 120,312 +107,800
差引 送金額 1,485,888 1,527,188 −41,300

表の下に、増減の理由を1〜2文で添えます。

今月の送金額は1,485,888円で、前月より41,300円少なくなりました。203号室の原状回復88,000円と、共用灯のLED交換19,800円の支払いがあったためです。402号室の更新料66,500円の入金で、一部を補っています。

苦情の記入例

解釈・運用の考え方が挙げる「日時、申し出た者の属性、苦情内容、対応状況」を列にします。申し出た人は、名前ではなく「入居者(部屋番号)」「近隣の住民」のように属性で書きます。毎月の報告書でこの形で記録しておけば、年1回の報告では1年分を並べるだけで済みます(1年分の例。内容は架空です)。

受付日 申し出た人 内容 対応 状況
2026/2/8 入居者(201号室) 上の階の足音がうるさい 上の階(301号室)に注意の文書を配布。以後の連絡なし 完了
2026/6/17 入居者 ゴミ置き場に分別されていないゴミがある 掲示で注意を呼びかけ、巡回時に確かめた 完了
2026/10/21 入居者(102号室) 給湯器から異音がする 業者が点検し、異常なし。入居者に報告した 完了

年間の管理業務報告書の記入例

1年分を1枚にまとめた例です。細かい明細は別紙にして、本文では業務ごとの内容と回数・件数を書きます。この例は、記事の最後で紹介するひな形の記入例シートと同じ内容です(名前・数字はすべて架空です)。

欄 記入例
報告の対象となる期間 2025年11月1日〜2026年10月31日(12か月)
家賃等の収納・送金 毎月の家賃・共益費・駐車場代を収納し、管理手数料等を差し引いて送金。毎月10日に送金(12回)
入居者の募集・契約 空室の募集、入居審査、契約の締結と更新。新規3件・更新5件
定期清掃・巡回 共用部の清掃(月1回)、ゴミ置き場・自転車置き場の巡回(月2回)
設備の点検 消防設備点検(年2回)、受水槽の清掃(年1回)
修繕 退去後の原状回復、共用灯のLED交換、給湯器の対応など8件(明細は別紙)
退去の立会い・精算 退去立会い、敷金の精算 4件
苦情の発生状況と対応状況 3件。内容と対応は上の「苦情の記入例」の表のとおり

管理業務報告書のひな形(Excel)の記入例。上に委託者・物件名・所在地・管理業者・登録番号・説明した日・説明者・交付の方法の欄があり、その下に1 報告の対象となる期間、2 管理業務の実施状況(家賃等の収納・送金、入居者の募集・契約、定期清掃・巡回、設備の点検、修繕、退去の立会い・精算)、3 入居者からの苦情の発生状況及び対応状況(受付日・場所・内容・対応の3件)を並べている

ひな形では、法令で決まっている3つの記載事項に加えて、説明した日・説明者・交付の方法の欄を表紙の表に置いています。規則が「交付して説明」としているため、いつ・誰が・どの方法で説明したかを同じ紙に残しておくと、あとから確かめやすくなります。

送金明細書とオーナー報告書は何が違う?

国交省の標準管理受託契約書では、管理会社は入居者から受け取った当月分の家賃等を毎月オーナーに振り込み、あらかじめ承諾を得た管理報酬を差し引けるとしています(第7条)。この入金・差し引き・送金の内訳を示すのが送金明細書です。

送金明細書 オーナー報告書
目的 いくら送ったかを示す 何が起きて、次に何をするかを伝える
中身 入金、差し引いた費用、送金額 収支に加えて、入居状況、対応・修繕、予定、提案
時期 送金のたび(毎月) 毎月、または契約で決めた頻度
オーナーが見るところ 金額が合っているか 物件の状態と、判断が必要なこと

サンプルの「収支報告」のページは、送金明細の役割も兼ねています。送金明細を別の書類で出している会社は、報告書の収支ページを要約にして、明細は添付にする形もあります。どちらの形でも、送金額は明細と同じ元データから出し、2か所で別々に打ち込まないようにします。

オーナーに伝わる書き方は?(収支の増減の理由、修繕の提案)

オーナーが報告書で知りたいのは、「今月いくら入ったか」「物件に困ったことは起きていないか」「自分が決めることはあるか」の3つです。この順に答えます。

  • 1ページ目に結論を置く:送金額・入居率・家賃の回収を先に書きます。サンプルの見出しは「今月の送金額は1,485,888円です。入居率は95.8%、家賃の回収率は100%でした」です
  • 増減には理由を1文つける:送金額が前月と変わった月は、どの支払い・入金が理由かを書きます
  • 修繕は「事実→提案→費用→判断の期限」で書く:サンプルの提案ページは、203号室について「家賃は下げずに、全戸のインターネット無料化を提案」「費用 月額 1戸あたり2,200円(税込)」「見込み 空室期間を1ヶ月短縮(約6.4万円)」「ご判断 11月20日までにご連絡ください」と並べています
  • 言葉をオーナー向けにする:「原状回復」は「退去後の修理と清掃(原状回復)」のように言い添えます

すぐに使える例文です(部屋番号・金額は架空です)。

  1. 今月の家賃はすべて期日内に入金されました。滞納はありません。
  2. 108号室の10月分が未入金です。10月28日に督促し、11月5日に入金すると連絡を受けています。
  3. 203号室は退去から1か月がたちました。今月の内見は2件で、1件は検討中です。
  4. 305号室から、11月30日に退去するとの通知を受けました。立会いのあと、原状回復の見積りをお送りします。
  5. 402号室の契約を2年で更新しました。更新料66,500円を今月の収入に計上しています。
  6. 共用部の階段灯3か所をLEDに交換しました(19,800円)。電気代が月1,200円ほど下がる見込みです。
  7. 外壁の北面に、ひび割れが2か所あります。広がる前の補修として、12月までの実施をご提案します。概算は15万円です。11月20日までにご判断ください。
  8. ゴミ置き場に、分別されていないゴミが2回ありました。掲示で注意を呼びかけました。

建物の点検会社から届く点検報告書を添付するときは、指摘の件数と、急ぐものだけを本文に1行で書きます。点検会社に出してもらう報告書の型は、点検報告書の書き方を参考にしてください。

オーナー報告書でよくある失敗は?

失敗 起きること 防ぎ方
前月のファイルをコピーして、物件名や部屋番号を直し忘れる 別のオーナーや別の月の情報が混ざる 物件とオーナーの情報を1か所から読み込む形にする
送金額と、明細の合計が合わない 信用を落とし、問い合わせが増える 送金額は明細から計算し、手で打ち込まない
数字だけで、増減の理由がない 送金が減った理由を電話で聞かれる 増減の大きい項目に1文の理由をつける
苦情の記録を、年1回の報告の前にまとめて思い出す 日時や対応の経過が抜ける 受付のたびに、日時・属性・内容・対応を記録する
修繕を、終わってから報告するだけ 費用の相談がなかったと受け取られる 金額の大きいものは、提案と判断の期限を先に出す
オーナーごとに書式がばらばら 担当者しか作れず、異動や退職で止まる 書式を1つに決め、オーナーごとの違いは項目の出し分けで対応する
年1回の報告書を送るだけで終える 説明した記録が残らない 規則は「交付して説明」としている。面談・電話・オンラインで説明した日と内容を記録する

毎月の作成を楽にする方法(ひな形・管理システム・作成を任せる)

オーナーの数が増えると、報告書の作成が月初の仕事を圧迫します。楽にする方法は3つあります。

ひな形(Excel)を使う 管理システムの帳票機能を使う 作成を任せる
向いている会社 オーナーが少ない、書式を作り直したい 管理システムの標準の帳票で足りる オーナーが多い、今の書式を変えたくない
毎月の社内の作業 転記・集計・コメント 帳票にない項目の追記と確認 届いた報告書の確認と、オーナーへの送付
自社の書式 自由に作れる システムの型に合わせる 今の書式を再現してもらう
注意すること 件数が増えると転記が重い 提案や理由のコメントは手で書く 法令の要件の確認とオーナーへの説明は管理会社が行う

ひな形を使う:書式がまだない会社や、作り直したい会社は、管理業務報告書・オーナー月次報告書のひな形(Excel)から始められます。この記事の記載項目の表と照らして、自社の契約で報告すると決めた項目が欄にあるかを確かめてから使ってください。

管理システムの帳票機能を使う:入出金や入居状況は、管理システムの帳票でそのまま出せる場合があります。増減の理由や修繕の提案のように、帳票にない文章は人が書き足します。

作成を任せるときの分担の図。任せる範囲は、管理システムのCSVの集計、収支表・入居状況の図・グラフ、オーナーごとの報告書(今の書式)、数字と元データの突き合わせ、コメント・提案の下書き。管理会社に残るのは、下書きの確認と修正、法令の要件の確認、管理会社の名前でオーナーに出すこと、オーナーへの説明。毎月の流れは、CSVと写真を共有ドライブに入れる、報告書が届く、確認してオーナーへ送る
図3 作成を任せても、確認とオーナーへの説明は管理会社に残る

作成を任せる:おまかせレポートでは、管理システムから書き出したCSVと、修繕・巡回の写真を共有ドライブに入れるだけで、御社の書式のまま、オーナーごとの報告書を作ります。数字は人が元データと突き合わせて確かめます。コメントや提案は下書きとしてお出しし、管理会社が確認して、管理会社の名前でオーナーに出します。法令の要件の確認と、オーナーへの説明は御社で行っていただきます。料金は初期費用0円、基本料金が月額3万円(税別、5件まで)、6件目から1件 月5,000円です。オーナー40名の場合の料金の例は、賃貸管理会社向けのページに載せています。

今のオーナー報告書を1本お預かりして、同じ型で1回分を作る無料のお試しも受け付けています。外注するかどうかの考え方は、月次レポート・報告書の作成代行とはにまとめています。

よくある質問

Q.賃貸住宅管理業者は、オーナーに報告する義務がありますか?

あります。賃貸住宅管理業法第20条で、賃貸住宅管理業者は管理業務の実施状況などを定期的に委託者(オーナー)に報告すると定められています。施行規則第40条で、契約を結んだ日から1年を超えない期間ごとと、契約期間の満了後遅滞なく、管理業務報告書を交付して説明することになっています。

Q.管理業務報告書は毎月出さないといけませんか?

法令で決まっている時期は「1年を超えない期間ごと」と「契約期間の満了後遅滞なく」です。国交省の解釈・運用の考え方は、報告する事項によってはそれより多い頻度が望ましいとしています。実際の頻度は、管理受託契約で決めた報告の内容と頻度に合わせます。

Q.管理業務報告書はメールやPDFで送ってもいいですか?

オーナーの承諾を得れば、電子メールなどの電磁的方法で提供できます(施行規則第40条第2項)。国交省のハンドブックは、承諾を記録に残る方法で得ること、出力して書面にでき改変がないか確かめられる形にすること、データを保存しておくことを留意点に挙げています。

Q.管理業務報告書に決まった様式はありますか?

施行規則が定めているのは記載事項で、別記様式はありません。国交省の賃貸住宅管理業法ポータルサイトの主なページにも、管理業務報告書の様式・記載例は見当たりませんでした(2026年11月2日に確認)。各社で記載事項を満たす書式を作ります。

桒谷 一成

inovie株式会社 代表取締役。AIによる業務代行(BPO)と、AIエージェントの開発をしています。自社の月次報告書・サービス資料・見積書もAIで自動作成しています。