この記事のポイント
- ExcelのグラフをPowerPointに自動反映する方法は、リンク貼り付け、VBA(Excelのマクロ)、Python(openpyxlとpython-pptx)の3つです
- グラフが数枚で、決まったPCとフォルダで作るならリンク貼り付けで足ります。毎月の手順はこの記事の数え方で5つです
- VBAはグラフを図として貼り直し、Pythonはひな形のグラフと表の数字だけを入れ替えます。どちらも毎月の手順は3つです
- リンクが更新されない主な原因は、Excelの移動・名前の変更、毎月Excelを別名で保存していること、リンクではなく埋め込みや図で貼っていることです
- どの方法も、ファイルの置き場所と名前を固定し、図形の名前と手順を手順書に残すことが続けるための条件です
ExcelのグラフをPowerPointに自動反映するとは、Excel の数字を今月分に更新したときに、PowerPoint のグラフや表を手で貼り直さずに新しい数字にすることです。方法は3つあります。①リンク貼り付け、②VBA(Excel のマクロ)、③Python です。
先に結論を書きます。
- グラフが数枚で、決まった PC と決まったフォルダで作るなら、①リンク貼り付けで足ります
- Windows の Excel と PowerPoint だけで完結させたいなら、②VBA。グラフは図として貼り直します
- グラフと表が多い、PowerPoint のグラフの書式をそのまま残したい、表の数字も入れ替えたいなら、③Python
この記事では、3つの方法の手順と、②③の動くコード、リンクが更新されないときの直し方、毎月の運用で詰まるところをまとめます。
この記事は、月次レポートの作成代行と自動化(おまかせレポート)を提供している inovie株式会社 が書いています。③の Python のコードは、架空の月次データで実際に動かして確かめました。②の VBA は、確かめた範囲をコードの前に書いています。作業時間は測っていないため、比べるのは手順の数です。
3つの方法を比べると?準備の手間・毎月の手順・壊れやすいところ
| ①リンク貼り付け | ②VBA(Excel のマクロ) | ③Python | |
|---|---|---|---|
| しくみ | PowerPoint のグラフが、元の Excel ファイルを参照する | マクロが Excel のグラフを図にして、PowerPoint の決まった場所に貼り直す | スクリプトが Excel の数字を読み、ひな形のグラフと表の数字を入れ替える |
| 準備の手間 | 少ない(手順3つ) | 中(手順5つ。マクロ有効ブックとコード) | 中〜多い(手順5つ。Python を入れるところから) |
| 毎月の手順の数 | 5つ(グラフの数だけ[データの更新]を押す) | 3つ | 3つ |
| PowerPoint 側のグラフ | グラフのまま | 図(画像)になる | グラフのまま。色や書式はひな形のまま |
| 表や文字の数字 | 手で直す | 手で直す(コードで変えるのは対象月だけ) | 表と文字もスクリプトで入れ替える |
| 向いている人 | グラフが数枚で、決まった1台の PC で作る人 | Office だけで完結させたい。マクロを直せる人が社内にいる | グラフと表が多い。ほかの集計ともつなげたい。Python を使える人がいる |
| 壊れやすいところ | Excel の移動・名前の変更でリンクが切れる。毎月 Excel を別名で保存すると、リンク先が先月のまま | シート名・グラフ名・図形名が変わると止まる。受け取ったマクロ付きファイルはブロックされることがある | 図形の名前やシートの形が変わると止まる。計算式の結果は Excel で保存したファイルからしか読めない |
| この記事での確認 | Microsoft の公式の手順を引用 | マクロそのものは未実行(同じ命令を外から実行して確認) | 実際に動かして確認 |
手順の数は、この記事に書いた手順を数えたものです。3つの方法の違いは、PowerPoint のグラフをだれが新しい数字にするかです。
![3つの方法のしくみの図。方法1のリンク貼り付けは、名前と置き場所を変えない月次データ.xlsxと PowerPoint のグラフがファイルの場所でつながり、グラフごとに[データの更新]で読み直す。毎月の手順は5つ。方法2のVBAは、マクロ入りのブックの Excel のグラフを図にしてコピーし、ひな形の同じ名前の図形と位置と大きさを引き継いで置き換え、別名で保存して今月の資料にする。グラフは図(画像)になる。毎月の手順は3つ。方法3のPythonは、Excel の数字を openpyxl で読み、ひな形のグラフと表の数字だけを python-pptx で入れ替え、別名で保存する。グラフのままで、色や書式はひな形のまま。毎月の手順は3つ](/assets/column/excel-to-powerpoint/fig1.png)
方法1:リンク貼り付けで自動更新する(Microsoft の公式の手順)
Excel のグラフを「データをリンク」の形式で貼り付けると、PowerPoint のグラフが元の Excel ファイルにつながったままになり、Excel を更新すると PowerPoint のグラフにも反映できます(>Microsoft サポート:Excel から別の Office プログラムにコピーする)。
最初の1回の手順(3つ)
- Excel でグラフをクリックし、Ctrl+C でコピーする
- PowerPoint のスライドで Ctrl+V を押し、グラフの横に出る[貼り付けのオプション]から、名前に「データをリンク」と付いた形式を選ぶ(元の書式を残すものと、PowerPoint のテーマに合わせるものの2つがあります)
- PowerPoint のファイルを保存する
「ブックを埋め込む」と付いた形式や[図]で貼ると、Excel とはつながりません。毎月そのまま更新したいなら、必ず「データをリンク」の形式を選びます。
毎月の手順(5つ)
- Excel の数字を今月分にして保存する。ファイル名と置き場所は変えない
- 先月の PowerPoint を開き、[名前を付けて保存]で今月のファイルにする
- グラフを1つずつ選び、[グラフのデザイン]タブの[データの更新]を押す
- 表や本文の数字、対象月など、グラフ以外の文字を直す
- 保存する
パワポでエクセルのリンクが更新されないときの直し方
リンクが更新されないときは、まず PowerPoint の[ファイル]→[情報]を開き、右下の[関連ドキュメント]にある[ファイルへのリンクの編集]でリンク先を確かめます。見当たらないときは、PowerPoint のファイルを一度保存してから開き直します(>Microsoft サポート:外部ファイルへの壊れたリンクを更新または削除する)。
| 原因 | 直し方 |
|---|---|
| Excel ファイルを移動した、名前を変えた | リンクの一覧で[ソースの変更]を押し、新しい場所のファイルを選んで[今すぐ更新] |
| 毎月、Excel を別の名前で保存している(10月.xlsx → 11月.xlsx) | リンク先は最初に貼ったときのファイルのままです。[ソースの変更]で今月のファイルを選ぶか、集計用の Excel の名前を固定する |
| 「埋め込む」形式や図で貼った。またはリンクを解除した | 一覧に出てきません。リンクを解除したグラフは、元の Excel を更新しても変わりません。「データをリンク」の形式で貼り直す |
| 別の人の PC や、ブラウザ版の PowerPoint で開いている | リンク先は「C:\Users\…」のようなファイルの場所で記録されます。ブラウザ版の PowerPoint では、PC に保存した Excel にはリンクできません(>Microsoft サポート)。作る PC と置き場所を決める |
| Excel を保存していない | Excel を保存してから、もう一度[データの更新]を押す |
いちばん気づきにくいのは、2行目の「毎月 Excel を別の名前で保存している」場合です。PowerPoint は別名で保存しても、リンク先は先月の Excel のままです。
![リンクが更新されない形と続けられる形を比べた図。更新されない形では、Excel を月ごとに別名で保存しているため、9月の資料を別名で保存した月次報告_10月は月次データ_9月にリンクしたままで、今月の数字が入った月次データ_10月とはつながっていない。[データの更新]を押しても9月の数字のまま。続けられる形では、集計用の Excel の名前を月次データに固定し、月次報告_10月がそこにリンクするので、[データの更新]で今月の数字に変わる。過去の月は、リンクのままだと開いて更新したときに最新の数字に変わるため、PDF でも残す。月ごとに別名で残すなら、毎月[ファイルへのリンクの編集]→[ソースの変更]で今月のファイルを選び直す](/assets/column/excel-to-powerpoint/fig2.png)
リンク貼り付けは準備が少ない一方で、ファイルの置き場所と名前に強く依存します。月ごとに Excel を別名で残したい会社では、毎月の[ソースの変更]が手間になります。集計用の Excel の名前を固定する場合は、過去の月の PowerPoint を PDF でも残しておきます。リンクのままの古いファイルを開いて[データの更新]を押すと、最新の数字に変わってしまうためです。
方法2:VBA で Excel のグラフを PowerPoint の指定スライドに貼り直す
Excel のマクロで、グラフを図としてコピーし、PowerPoint のひな形の決まったスライドにある、決まった名前の図形と置き換えます。リンクを使わないので、Excel を移動してもリンク切れは起きません。そのかわり、PowerPoint 側のグラフは図(画像)になり、PowerPoint で数字を直すことはできません。
準備の手順(5つ)
- Excel のグラフに名前を付ける。グラフを選び、[ホーム]→[検索と選択]→[オブジェクトの選択と表示]を開いて、一覧の名前を「売上推移グラフ」などに変える
- PowerPoint のひな形で、グラフを置きたい場所に四角形を置き、同じ名前を付ける([ホーム]→[選択]→[オブジェクトの選択と表示])。表紙の対象月の文字には「対象月」と名前を付ける。2か月目からは、マクロが貼った図に同じ名前が付きます
- Excel のファイルを「Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)」で保存し、PowerPoint のひな形(月次報告_ひな形.pptx)を同じフォルダに置く
- Alt+F11 で VBA の画面を開き、[挿入]→[標準モジュール]に下のコードを貼る
- コードの jobs の行を、自分のシート名・グラフ名・スライド番号・図形名に書き換える
コード
動作確認について:このマクロそのものは実行していません。マクロをファイルに書き込むには Office のセキュリティ設定(VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセス)を変える必要があり、確認に使った PC ではその設定を変えなかったためです。マクロの中で使っている Excel と PowerPoint の命令(グラフのコピー、PNG での貼り付け、名前・位置・大きさの引き継ぎ、対象月の書き換え、別名での保存)は、同じ順番で Python から呼び出し、Microsoft 365 の Excel・PowerPoint(Windows 版、2026年11月時点)で動くことを確かめました。使う前に、ファイルのコピーで試してください。
Option Explicit
' Excel のグラフを図にして、PowerPoint のひな形の同じ名前の図形と置き換える
' このブック(.xlsm)と同じフォルダに「月次報告_ひな形.pptx」を置いておく
Sub グラフをパワポに貼る()
Const TEMPLATE_FILE As String = "月次報告_ひな形.pptx"
Const PP_PASTE_PNG As Long = 6 ' PNG の図として貼る(ppPastePNG)
Dim jobs As Variant, job As Variant
Dim targetMonth As String
Dim ppt As Object, pres As Object, sld As Object
Dim oldShape As Object, pasted As Object, pic As Object
Dim l As Single, t As Single, w As Single, h As Single
' 貼るグラフの一覧:Array(シート名, Excel のグラフ名, スライド番号, スライドの図形名)
jobs = Array( _
Array("推移", "売上推移グラフ", 2, "売上推移グラフ"), _
Array("損益", "損益グラフ", 3, "損益グラフ"))
targetMonth = InputBox("対象月を入れてください(例:2026年10月)")
If targetMonth = "" Then Exit Sub
Set ppt = CreateObject("PowerPoint.Application")
Set pres = ppt.Presentations.Open(ThisWorkbook.Path & "\" & TEMPLATE_FILE)
For Each job In jobs
Set sld = pres.Slides(job(2))
' 先月の図(初回は四角形)の位置と大きさを覚えてから消す
Set oldShape = Nothing
On Error Resume Next
Set oldShape = sld.Shapes(job(3))
On Error GoTo 0
If oldShape Is Nothing Then
MsgBox "スライド" & job(2) & "に「" & job(3) & "」という図形がありません"
Exit Sub
End If
l = oldShape.Left: t = oldShape.Top: w = oldShape.Width: h = oldShape.Height
oldShape.Delete
' Excel のグラフをコピーして、PNG の図として貼る
ThisWorkbook.Worksheets(job(0)).ChartObjects(job(1)).Chart.ChartArea.Copy
DoEvents
Set pasted = sld.Shapes.PasteSpecial(DataType:=PP_PASTE_PNG)
Set pic = pasted.Item(1)
pic.Name = job(3) ' 来月も同じ名前で探せるようにする
pic.LockAspectRatio = 0 ' 0 は msoFalse。枠の大きさに合わせる
pic.Left = l: pic.Top = t: pic.Width = w: pic.Height = h
Next job
' 表紙の対象月を書き換えて、別の名前で保存する(ひな形は上書きしない)
pres.Slides(1).Shapes("対象月").TextFrame.TextRange.Text = targetMonth
pres.SaveAs ThisWorkbook.Path & "\月次報告_" & targetMonth & ".pptx"
MsgBox "作成しました:月次報告_" & targetMonth & ".pptx"
End Sub
貼り付けの形式の番号(PNG は6)は、>Microsoft の PpPasteDataType の一覧にあります。フォルダを固定したいときは、ThisWorkbook.Path の部分を "C:\月次報告" のように書き換えます。
毎月の手順(3つ)
- Excel の数字を今月分にして保存する
- [表示]タブの[マクロ](Alt+F8)から「グラフをパワポに貼る」を実行し、対象月を入れる
- できた「月次報告_2026年10月.pptx」を開き、表や本文の数字を直して確かめる
VBA で気をつけること
- 図はスライドの枠の大きさに合わせて伸び縮みします。確認のときも、縦横の比率が違う枠に貼ると図が横に伸びました。Excel のグラフの縦横の比率を、スライドの枠とそろえておきます
- シート名・グラフ名・図形名を変えると止まります。名前の一覧を手順書に書いておきます
- インターネットやメールで受け取ったマクロ付きのファイルは、Office の既定でマクロがブロックされます(>Microsoft Learn:インターネットからのマクロは、Office で既定でブロックされます)。社内での置き場所と配り方は、社内の決まりに合わせます
方法3:Python(openpyxl と python-pptx)でグラフと表を差し替える
Python のスクリプトで、Excel の数字を openpyxl で読み、PowerPoint のひな形の中のグラフと表の数字を python-pptx で入れ替えます。グラフは PowerPoint のグラフのまま残り、色や文字の書式はひな形のままです。
動作確認:架空の月次データの Excel と、グラフ・表・文字の入った PowerPoint のひな形(2026年9月分の数字が入った状態)を作り、下のスクリプトで10月分に差し替わることを確かめました(Python 3.14.0、openpyxl 3.1.5、python-pptx 1.0.2)。できたファイルを Microsoft 365 の PowerPoint で開き、PowerPoint で付けたグラフの色と、文字の色・大きさが残ることも確かめています。グラフの中に入っている Excel のデータ(PowerPoint の[データの編集]で開くもの)も10月分に変わっていました。
準備の手順(5つ)
- Python を入れる(>python.org から)
- コマンドで
pip install openpyxl python-pptxを実行する - Excel のシートの形を、下の表のように決める(1行目は見出し、2行目から数字)
- PowerPoint のひな形で、グラフ・表・文字の図形に名前を付ける([ホーム]→[選択]→[オブジェクトの選択と表示])
- スクリプトを Excel・ひな形と同じフォルダに置き、ファイル名とシート名・図形の名前を自分のものに書き換える
確認に使った Excel(月次データ.xlsx)は、次の2つのシートです(数字は架空、単位は百万円)。
| シート | A列 | B列 | C列 | D列 |
|---|---|---|---|---|
| 推移 | 月(11月〜10月の12行) | 売上高 | 予算 | |
| 損益 | 科目(売上高・売上総利益・販管費・営業利益) | 当月実績 | 予算 | 前年同月 |
PowerPoint のひな形(月次報告_ひな形.pptx)では、1枚目の文字に「対象月」、2枚目の集合縦棒グラフ(系列は売上高・予算)に「売上推移グラフ」、3枚目の5行6列の表(1行目は見出し)に「損益表」と名前を付けました。スクリプトは、この名前で Excel と PowerPoint をつなぎます。②の VBA も、シート名・グラフ名・図形名でつなぐ考え方は同じです。
![名前で Excel と PowerPoint をつなぐ図。月次データ.xlsxには「推移」シート(月・売上高・予算の12か月)と「損益」シート(科目・当月実績・予算・前年同月)がある。update_report.py はシートを名前で読み、図形を名前で探して数字を入れる。月次報告_ひな形.pptxでは、1枚目の文字「対象月」に実行するときに入れた2026年10月を、2枚目のグラフ「売上推移グラフ」に推移シートの月・売上高・予算を、3枚目の表「損益表」に損益シートの数字と計算した予算比・前年比を入れる。名前は PowerPoint の[ホーム]→[選択]→[オブジェクトの選択と表示]で付ける。名前が変わると、見つからない名前を表示して止まり、保存はしない。担当が替わっても直せるように、名前の一覧を手順書に書く](/assets/column/excel-to-powerpoint/fig3.png)
コード
"""月次データ.xlsx の数字で、PowerPoint のひな形のグラフと表を差し替える。
使い方:python update_report.py 2026年10月
"""
import sys
from pathlib import Path
from openpyxl import load_workbook
from pptx import Presentation
from pptx.chart.data import CategoryChartData
FOLDER = Path(__file__).parent # Excel とひな形を置いたフォルダ
EXCEL = FOLDER / "月次データ.xlsx"
TEMPLATE = FOLDER / "月次報告_ひな形.pptx"
def read_rows(sheet):
"""2行目から下を読む。空の行は飛ばす。計算結果が入っていないセルがあれば止める"""
rows = [r for r in sheet.iter_rows(min_row=2, values_only=True) if r[0] is not None]
for r in rows:
if None in r:
raise SystemExit(f"「{sheet.title}」シートに値のないセルがあります:{r}。"
"計算式のセルは、Excel で開いて保存してから実行してください")
return rows
def find(slide, name):
"""スライドの中から、名前で図形を探す(名前は PowerPoint の選択ウィンドウで付ける)"""
for shape in slide.shapes:
if shape.name == name:
return shape
raise SystemExit(f"図形「{name}」が見つかりません。選択ウィンドウで名前を確かめてください")
def set_text(shape, text):
"""書式を残したまま文字だけ入れ替える"""
para = shape.text_frame.paragraphs[0]
if para.runs:
para.runs[0].text = text
for extra in para.runs[1:]:
extra.text = ""
else:
para.text = text
def main(month):
wb = load_workbook(EXCEL, data_only=True) # data_only=True:計算式ではなく計算結果を読む
trend = read_rows(wb["推移"]) # 月, 売上高, 予算
pl = read_rows(wb["損益"]) # 科目, 当月実績, 予算, 前年同月
prs = Presentation(TEMPLATE)
# 1枚目:対象月
set_text(find(prs.slides[0], "対象月"), month)
# 2枚目:グラフのデータを差し替える(色や書式はひな形のまま)
data = CategoryChartData()
data.categories = [r[0] for r in trend]
data.add_series("売上高", [r[1] for r in trend])
data.add_series("予算", [r[2] for r in trend])
find(prs.slides[1], "売上推移グラフ").chart.replace_data(data)
# 3枚目:表の数字を入れ替える(1行目は見出しなので2行目から)
table = find(prs.slides[2], "損益表").table
for i, (name, actual, budget, last_year) in enumerate(pl, start=1):
values = [name, f"{actual:.1f}", f"{budget:.1f}", f"{actual / budget:.1%}",
f"{last_year:.1f}", f"{actual / last_year:.1%}"]
for j, value in enumerate(values):
set_text(table.cell(i, j), value)
out = FOLDER / f"月次報告_{month}.pptx"
prs.save(out)
print(f"保存しました:{out.name}")
if __name__ == "__main__":
main(sys.argv[1]) # 例:python update_report.py 2026年10月
実行すると「月次報告_2026年10月.pptx」ができます。確認では、グラフの横軸が「10月〜9月」から「11月〜10月」に、表の売上高の行が「36.8/36.0/102.2%」から「38.1/37.0/103.0%」に変わりました。
毎月の手順(3つ)
- Excel の数字を今月分にして保存する
python update_report.py 2026年10月を実行する- できたファイルを開いて数字を確かめ、見出しの1文やコメントを書く
Python で気をつけること
- 計算式のセルは、Excel で保存したファイルから読む:
data_only=Trueで読めるのは、Excel が最後にそのシートを読んだときに保存した値です(>openpyxl の説明)。確認でも、Excel で一度も保存していないファイルでは営業利益(計算式)が空になり、スクリプトが止まりました。Excel で開いて保存したあとは読めました - グラフの形はひな形で決める:
replace_dataは、グラフの項目と系列の値を入れ替えるものです(>python-pptx の説明)。グラフの種類や色を変えたいときは、PowerPoint でひな形を直します - 図形の名前とシートの形を変えると止まる:スクリプトは、見つからない図形や空のセルがあると、理由を表示して止まります。黙って先月の数字のまま保存することはありません
- 見出しとコメントは人が書く:スクリプトが入れ替えるのは数字だけです。「売上高は予算比103.0%」のような見出しの1文や、差異の理由は、数字を確かめたうえで人が書きます
毎月の運用で詰まるところは?ファイルの置き場所と担当者の交代
仕組みを作ったあとに止まる理由の多くは、コードではなく、ファイルの置き場所と人の交代です。
| 詰まるところ | 起きること | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| ファイルの置き場所 | ①はリンクが切れる。②③はファイルが見つからずに止まる | 置くフォルダとファイル名を固定する。月ごとのファイルは別のフォルダに出す |
| 作る PC | ①はリンク先がその PC の場所で記録される。③は Python を入れた PC でしか動かない | 作る PC を決めるか、全員が同じ場所で開ける共有フォルダで作る |
| 担当者が替わったとき | 名前の決まりや手順がわからず、止まったまま直せない | 手順書(毎月の手順、図形とグラフの名前の一覧、止まったときの直し方)を残す |
| ひな形を直したとき | 図形の名前が変わったり消えたりして、②③が止まる | ひな形を直したら、名前が残っているかを確かめてから使う |
| Excel への元データの貼り付け | PowerPoint への反映は自動でも、Excel への取り込みが手作業のまま残る | 元データを Power Query で取り込み、[すべて更新]で読み込み直せるようにする |
Excel 側の取り込みは、[データ]タブの[データの取得](Power Query)で元データを取り込んでおくと、[すべて更新](Ctrl+Alt+F5)で読み込み直せます。接続のプロパティで[ファイルを開くときにデータを更新する]をオンにすると、ブックを開くたびに読み込み直します(>Microsoft サポート:Excel で外部データ接続を更新する)。
自分で作るのが難しいときは?
社内に VBA や Python を書ける人がいない、作った人が異動したら止まりそう、という場合は、次の2つの選択肢があります。
| 自動化の仕組みづくりを頼む | 作成そのものを任せる | |
|---|---|---|
| 頼むこと | 御社の環境で、Excel から PowerPoint までが自動でできる仕組みを作ってもらう | 毎月の資料づくりを、データの受け取りから納品まで任せる |
| 社内に残る作業 | 毎月の実行と確認、コメント | 届いた資料の確認、数字の確定 |
| 向いている会社 | データを社外に出しにくい。仕組みは社内で回したい | 担当が1人で、月初に手が回らない |
おまかせレポートでは、どちらもお引き受けしています。
- 自動化の仕組みづくり:個別見積りです。御社の Excel と PowerPoint のひな形のまま、自動でレポートが出る仕組みを作り、手順書と一緒に仕組みごと納品します。月額の保守はありません
- 作成の代行:初期費用0円、月額3万円(税別、5件まで)、6件目から1件 月5,000円です(最低契約期間は6ヶ月)。データを共有ドライブに入れるか送っていただくだけで、御社のテンプレートと言い回しのまま作ります。AI と人で作り、人が元データと数字を突き合わせて確認します
月次の経営会議資料なら、経営会議資料のサンプルで仕上がりを見られます。資料そのものの構成や、差異コメントの書き方は経営会議資料の作り方に、外注するときの選び方は月次レポート・報告書の作成代行とはにまとめています。経営企画・経理の方向けの料金の例は、経営企画・経理のレポート作成代行のページにあります。
いまのレポートを1本お預かりして、同じ型で1回分を作る無料のお試しも受け付けています。自動化を頼むか、作成を任せるかを決める前に、仕上がりを確かめられます。
よくある質問
Q.パワポでエクセルのリンクが更新されないのはなぜですか?
主な原因は、Excelファイルの移動や名前の変更、毎月Excelを別名で保存してリンク先が先月のファイルのままになっていること、リンクではなく埋め込みや図で貼っていることです。[ファイル]→[情報]→[ファイルへのリンクの編集]でリンク先を確かめ、[ソースの変更]で今のファイルを選び直します。
Q.Excelでデータを自動的に更新するにはどうすればよいですか?
元データを[データ]タブの[データの取得](Power Query)で取り込んでおくと、[すべて更新]で読み込み直せます。接続のプロパティで[ファイルを開くときにデータを更新する]をオンにすると、ブックを開くたびに読み込み直します。PowerPointへの反映は、この記事の3つの方法で行います。
Q.VBAとPythonは、どちらを選べばいいですか?
WindowsのExcelとPowerPointだけで完結させたく、社内にマクロを直せる人がいるならVBAです。グラフや表が多い、PowerPointのグラフを図にせず書式も残したい、表の数字も入れ替えたいならPythonが向いています。
Q.Pythonのスクリプトを動かすPCにOfficeは必要ですか?
openpyxlとpython-pptxは、ExcelやPowerPointを起動せずにファイルを直接読み書きします。ただし、Excelの計算式の結果を読むには、Excelで一度保存したファイルが必要です。できた資料の確認には、PowerPointなどで開きます。